9.温帯低気圧モデル実験

 

(1)温帯低気圧とは

 中緯度で寒気と暖気の温度傾度が大きくなっているところ(寒帯前線帯)は,寒気と暖気

が水平方向に並ぶ「傾圧不安定」という状態にあります。ここから寒気が下に潜り込み,暖

気が乗り上げる動きをすることで,大気全体の重心が下がります。このとき減少した位置エ

ネルギー(有効位置エネルギー)が大気の渦運動エネルギーに変換される現象が温帯低気圧

です。

(2)温帯低気圧モデル実験(参考)

 アクリル板で作った水槽に温水と冷水(青色に着色)を仕切り板で隔てておき,仕切り板を

はずすと,P.16 1−(3)の前線モデルのように暖水の乗り上げ,冷水の潜り込みがおこり

ます。これを回転台の上で行うとコリオリ力が働いて,渦運動が生じます。全体として,温暖

前線面と寒冷前線面を伴った温帯低気圧らしい構造が見られるようになります。ただし,渦の

できかたや渦のエネルギーが有効位置エネルギーから変換されたものかどうかなどについて,

学術的に検証できていない部分があるので,参考としてください。

 

 
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