15.連続スペクトル 固体などの密度の高い物質は,いろいろな色(波長)を連続的に含む光を放射します。 白熱電球や太陽(吸収されていない部分)の光がその例で,分光器を使うと連続スペク トルが観察されます。 物質があらゆる波長の光を吸収・放出する性質があるという理想的な場合,この物質は 「黒体」といいます。(白熱電球や太陽も近似的に黒体と見なせます。) 恒星の色も表面温度に対応しています。 (青白:1万K以上,白:7000〜1万K,黄白:6000〜7000K,黄:6000K, 橙:3500〜6000K,赤:3500K以下) なお,恒星の白い色は,波長ごとの輝度のピークが緑になっているときに,すべての色 が混ざり合っている状態です。 黒体からの放射は,温度によって異なり,次の2つの法則に従います。 (1)ステファン・ボルツマンの法則 黒体の単位表面積からの放射エネルギーEは,黒体の絶対温度Tの4乗に比例する。 (→ 簡単にいうと,温度が高くなると明るくなる,ということ。) (2)ウィーンの変位法則 黒体からの連続スペクトルにおいて最も強度が大きい波長λは,絶対温度に反比例する。 (→ 簡単にいうと,温度が上がるにつれて,スペクトルのピークが赤→橙→黄→緑→ ・・・・と移っていく,ということ。) 映像は,白熱電球にかける電圧をスライダックを用いて少しずつあげていったときに, 電球の色と明るさがどのように変化するか,また,その連続スペクトルの見え方がどのよう に変化するかを観察したものです。 実験映像を見る