31.地球儀を用いた天文学習の展開
      −地球儀を屋外で,地球儀をプラネタリウムで−

1.地球儀と地球を同じ状態に置いてみる。
  @方位磁石を使って,地球儀を地球そのものと同じ(並行)な状態に置いてみましょう。
    ・日本がどこにあるかを考える。
   ・北の方位を合わせる。   
 Aこの作業を通して,太陽(実物)と地球(実物と同じ状態にした仮想地球)を使って
  図1のような関係をイメージするトレーニングをします。
 

2.仮想地球(実物と同じ状態)を使った学習展開 

(1)図1の状態で考えてみましょう。
  <例>
   ・地球儀の北極は地平線からどれくらいの角度だけ起こしているか?(35°)
   ・太陽は,今,どの国の真上にあるのか。
   ・今,昼である国,夜である国。

(2)仮想地球(地球儀)を自転させてみましょう。
 @太陽の日周運動 
  <例>
   ・(日本が)正午のときの地球
   ・(日本が)日の出のときの地球
   ・(日本が)日の入りのときの地球
   ・太陽の1日の通り道
   ・メジャーリーグがデイゲームを
    しているときの地球 
  A白夜の国
   ・1日中,太陽が沈まない国はどこでしょう?
   ・1日中,夜の国はどこでしょう?

    このように、実物の太陽と仮想地球(地球儀)を用いることで、宇宙から見た
    太陽・地球をイメージしやすくなります。


(3)季節の変化を考えましょう。
 <例> @図3から夏と冬では、太陽が真上にくる国がちがうことを確認します。
  A冬には、日本での太陽南中高度が低くなることを確認します。
  Bそれぞれの季節ごとに、実物の太陽と仮想地球(地球儀)の関係をセットして、地
   球儀を自転させ、図4に示すことがらを確認します。  
 
 

(4)太陽・地球・月の位置関係
 <例> @月は昼間でも観察できる時期がたくさんあります。実物の太陽、実物の月、
  仮想地球(地球儀)を見比べて、月についての学習をしてみましょう。
  ・月齢5〜12頃、月は太陽より東に位置します。上弦(月齢7)より月齢が大きいときは、午後
   に月を東の空に見ることができます。
  ・月齢18〜24頃、月は太陽より西に位置します。下弦(月齢22)より月齢が小さいときは、
   午前に月を西の空に見ることができます。

 A月と太陽のみかけの大きさがほとんど同じであることを観察します。
 <図5>
 
   ・腕を伸ばして、5円硬貨の穴を通して見てみましょう。
      (太陽は薄雲を通して見えているときなど)



(5)太陽・金星・地球         

<例> @金星は最大離隔のころ、昼間の空に
    見ることができます。
    ・2004年3月頃に東方最大離隔(約45°)となる。
  A図6のような太陽系のイメージをもつきっかけを
  作る学習をすることができます。


(6)プラネタリウムで緯度変化
  <例>  プラネタリウムで投影機の極軸を動かして緯度変化をします(たとえば,日本
   から北極に移動していく)。このとき,地球儀の傾きの変化と,北極星や天球の見
   え方を同期させてみましょう。