105.光の性質5 −散乱と透過、青空と夕焼けのモデル実験− (1)光の散乱 光が大気分子や小さなちり粒子に当たると、その進行方向が変えられる 「散乱」が生じます。粒子のサイズが光の波長よりも十分小さい(1/10以下) ときに生じる散乱は「レイリー散乱」と呼ばれ、色によって散乱される度合いが 異なります。 (2)光の色による透過・散乱のちがい レイリー散乱では、波長の短い(青い)光ほどよく散乱され、透過しにくい性 質があります。逆に、波長の長い(赤い)光ほど散乱されにくく、透過しやすい 性質を持ちます。 (3)光の色による透過・散乱のちがいを寒天を使って観察する実験 R(赤)・G(緑)・B(青)の三色の発光ダイオードを用意します。発光ダ イオードは高輝度タイプで光の広がり方が同程度のものを選んで準備します。 輝度が大きく異なる場合は、可変抵抗を使って輝度調整をします。平成16年度の 物理研修で作成した光源装置などはそのまま使うことができます。 このような光源の光を直方体の寒天に照射すると、青い光は散乱が大きく、赤 い光は透過性が強いことを確認することができます。
この状態で光源の反対側の正面から透過光を見ると、ほとんど赤い光しか見えま せん。ここから、寒天を少しずつ切り取って透過距離を短くしていくと徐々に青 い光も見えてくるようになります。
(4)青空と夕焼けのモデル実験 牛乳を水で薄めたものや石けん水に強い白色光をあてて、青空と夕焼けのモデル 実験ができますが、寒天を使うと、現象が顕著に確認でき、大勢でいろいろな方向 から観察しやすい教材となります。
夕方の空の色(見えている星は東方最大離角の水星) 実験映像を見る