106.こすって光る石

(1)どんな石?
   100円ショップで「揚子江の石」として売られている石は、互いにこすり合うと黄色い光
 を発します。特に白い色をした石がよく光ります。この石には石英が多くふくまれています。

(2)なぜ光る?
  この発光のしくみははっきりとわかっていないようですが、石英どうしをこすることで
 圧電効果(結晶の変形により電位差を生じる現象)によって放電火花が発生して、そのエ
 ネルギーが光に変換される摩擦ルミネッセンスによって光っているのではないかと思われ
 ます。(ひうち石は、ひうちがねの鉄が高温になった火花で、これとは異なります。)
  ほかの石でも同じように光るものがないか、探してみてはいかがでしょうか。

(3)関連する現象
   圧電効果によるものとすれば、同じ現象として湯沸かし器の自動点火やライターの点火
 (カチッと音がするもの)装置があります。これらは石英ではなく、チタン酸バリウムの
 焼結体をばねでたたいて高電圧をつくり、放電火花をとばせています。
   石英の圧電効果の逆の現象を使うものに水晶発振子があります。これは、電圧を加えて
 水晶を歪ませて振動させ、増幅回路を使って出力の一部を水晶にもどして振動を維持する、
 というしくみになっています。現在は人工水晶などを使って時計などにこの技術が使われ
 ています。
  また、こちらもメカニズムがよくわかっていない現象ですが、1995年の兵庫県南部地震
 で話題になった地震に伴って地表や空が発光する「地震発光」も、花崗岩中の石英の圧電
 効果・摩擦ルミネッセンスによって生じるという説があります。
 
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