206.蜃気楼モデル実験 (1)蜃気楼とは 蜃気楼は、空気の温度(密度)によって光の屈折率が異なることが原因で生じる現象です。蜃気楼に は、2つのタイプがあります。 A.上暖下冷型 上層が暖かく、下層が冷たいときに生じるもので、春に雪解け水が海に流れ込んだときなどに見られ ます。水平線付近の景色が浮き上がって見えます。
B.上冷下暖型 上層が冷たく、下層が暖かいときに生じるもので、冬が始まる頃、暖かい海の上に急に寒気が流入し た場合などに見られます。光が来ない方向ができて、景色の下に黒っぽい影のようなものが見られます。 浮島現象や、夏のアスファルトの逃げ水も同じ現象です。
津市から見えた浮島現象
知多半島が浮島になったようす
(2)蜃気楼のモデル実験 −空気の温度差で、上暖下冷型の蜃気楼を室内に作ってみよう− 屈折率の異なる2種類の液体を用いたモデル実験もありますが、ここでは、本質的に実際の蜃気楼と 同じとなるように、温度差によって屈折率の異なる空気層を作り出す方法を考えました。 <使用する物> : 電熱器 スタンド 人形 ビデオカメラ・テレビ(※全員が同じ位置からの映像を見るため) @ 電熱器を上下逆にして実験スタンドに取り付ける。 A 電熱器から数m離れた場所に、対象物(人形など)を置く。 B 人形−電熱器−ビデオカメラが一直線上になるように配置し、電熱器のすぐ下を通して対象物が見 えるようにビデオカメラをセットする。 C 少しでも見ている位置が変わると見えるものが違ってくるので、映像をモニターに映し出して観察 をする。 D 電熱器の電源を入れ、1〜数分程度待つと、人形がのび上がるような蜃気楼が見え始める。 E 最も温度勾配の大きいところを光が通ると蜃気楼が顕著になるので、よりよく見えるように再度ビ デオカメラの高さを調節する。
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