207.虹のモデル実験

(1)虹ができるしくみ
 
 雨上がりの空などに浮かぶ小さな水滴に太陽光線が当たると、太陽と反対側の点を中心にした虹が見
られることがあります。これは、たくさんの水滴において、図のように屈折・反射・屈折によって方向
を変えた光が観測者にやってくるのを見ているものです。
 このとき、光の色によって屈折率が異なる(屈折率の小さい方から、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の
順)ために、ひとつの水滴から出てくる光の方向は色によって異なり、図からわかるように、外側に分
布する水滴からは赤い光がくるのを見て、内側の水滴からは青い光がくるのを見ることになります。
 このようにして、虹は、太陽を背にして、約40°の半径で、外側から順に赤・橙・黄・緑・青・藍・
紫と並んだ美しい姿を見せるわけです。
 なお、水滴内で2回反射をしてくる光たちも虹を作り、これはふつうの虹のさらに外側に見られて、
「副虹」と呼ばれます。淡いので見えにくいですが、色は、内側の虹とは逆の順序で並びます。




(2)虹を作ろう

 水まきをしているときなどにも、水滴のところに虹が見られることがあります。
 ここでは、ガラスビーズを使って、虹を作り、観察しましょう。

<準備物> パネル板(A2程度)  スプレーのり  ガラスビーズ(0.3mm程度)

@ パネル板にスプレーのりをむらなく吹きかける。
A そこにガラスビーズをうすく広げるようにしながらはりつける。
B 太陽を背にして、パネル板を観察する。

 

顕微鏡で拡大して見た表面のようす
 

 


 山頂付近で霧の水滴によって円形の虹ができ、さらに霧に自身の影が映ると、黒い人影のまわりに
虹ができているようすが見られ、不思議な光景になります。これは「ブロッケンの妖怪」と呼ばれる
ことがあります。