218.月の欠けぎわの変化

(1)月の見かけの変化
 月は(新月→上弦→満月→下弦→新月)と一ヶ月かかって、みかけの形が変化します。
月を毎晩見ていると、少しずつ形が変わっていきます。しかしそれは、とびとびの変化で
はなく連続的な変化です。たとえ一晩であっても、詳しく見てみると月の欠けぎわは徐々
に動いていく様子が見て取れるはずです。 (2)欠けぎわの移動  一ヶ月でみかけの形が変化することや月の直径などから計算すると、欠けぎわ(明
暗境界線)は月の赤道上で、一時間に15kmほど移動します。中央付近にある大きなクレー
ター(エラトステネス)の直径が約58kmです。このクレーターは赤道上ではないので、
一時間あたりの境界線の移動はもう少し小さくなります。

 

(3)明暗境界線は、右から左へ移動しています。写真の右の方にある山頂が徐々に消え
ていきます。また、クレーターの中央丘付近の影は右へ伸びていきます。

アニメーション映像を見る  再生時間 約5秒


*撮影日 2005.8.28. 望遠鏡にビデオカメラを取り付けて撮影。 01:51,02:05,02:20,02:35,02:50,03:05,03:20,03:35,03:50,04:05の各時刻に1分間のビ
デオ映像を撮影。ビデオ画像からフリーソフトregistaxを用いて、静止画を作成。出来上がった
10枚の静止画からアニメーションを作成した。
撮影開始から終了まで、2時間15分間の影の移動になる。
*エラトステネス(前275頃〜前195頃):ギリシャの数学者・地理学者・天文学者。
地球の円周を初めて求めた。
クレーターは直径58km 深さ3570m。大きな段丘壁を持ち、中央丘のある目立つクレーター