223.川原で岩石採集

(1)河川にある石

 河川にある石は、もともとその上流の山地にあった大きな岩体が浸食され、運搬されてきたものがほ
とんどです。
 川原の石を採集することは比較的易しいので、近くの河川で岩石を採集し、おもなものの名前を調べ
おくとよいでしょう。


(2)採集のしかた

 50cm四方くらいの領域を決めて、そこから大きい順に岩石を拾っていくと、ランダムな採集ができま
す。

(3)名前の調べ方

 くわしい同定は難しいものですが、およそ次のように見分けていきます。

@ 火成岩かどうか  
 鉱物の結晶が目立つものが火成岩です。
 鉱物の結晶がモザイク状に重なり合っている深成岩と、鉱物の結晶が散在する火山岩があります。
 三重県北部では、花こう岩が多く見られます。

A 変成岩かどうか
 圧力を受けた広域変成岩は、片状の構造をもちます。
 熱を受けた接触変成岩は、緻密な構造をもちます。
 三重県南部では、広域変成岩が多く見られます。

B 堆積岩かどうか
 堆積岩は層状になっている場合が多いです。粒子間の結合が弱いので、指でこすると表面が崩れてく
るものもあります。含まれて粒子の大きさで、れき岩・砂岩・泥岩などがあります。
 二酸化ケイ素が沈殿して固まったチャートは、黒・赤・白とさまざまな色がありますが、とても堅い
(くぎで傷が付かない)ので見分けやすいです。

(4)岩石の表面を低倍率の顕微鏡で観察する

 川原の石は表面が自然に磨かれて、観察しやすくなっています。
 ルーペや写真のような顕微鏡(対物レンズを高い位置にできるもの)、実体顕微鏡を使うと、表面の
様子を詳しく観察できます。

  


(5)例−鈴鹿川に見られる岩石−

花こう岩

閃緑岩

チャート

 

砂岩
 

泥岩

れき岩