228.地図製作ソフトGMT

(1) GMTとは
 GMT(The Generic Mapping Tools)は,地図の上にいろいろな図や線を描くことができるハワイ大学で開
 発されたフリーのソフトです.
 http://gmt.soest.hawaii.edu/からダウンロードできますが、日本のミラーサイトからもダウンロード
 できます。
 UNIX上で使われていたソフトなのですが、WINDOWSでも使えるようになりました。ただし、
 通常のWINDOWSソフトのようにマウスのクリックで操作するのではなく、コマンドをキーボード
 から入力しなければならないので、慣れが必要です。

(2) GMTのインストール
 ダウンロードしたプログラムを解凍してするとGMTとnetcdf-3.5.0.win32binのホルダーができるので、
 Cドライブにコピーする。また、netcdf-3.5.0.win32binのホルダーは名前をNETCDFと変えておく。
 このインストール方に関してはGMTの解説をしているホームページを参照してください。


(3) GMTの使い方
 コマンド入力で操作するので、「スタート」「プログラム」「アクセサリ」「コマンドプロンプト」を
 クリックしてコマンド入力画面をだします。
 Win98ではDOSプロンプトを起動します。
 以下のコマンドを入力します。
 cd ¥
 cd ¥gmt
 gmtenv

 GMTのインストールと入力が正しければ
 GMT 3.4.5 Environment initialized
 C:\GMT>
 と表示されます。
 この後に続けてコマンドを入力していくのですが、キーボードから直接一つ一つのコマンドを入力するの
 は大変なので、メモ帳を起動してメモ帳でコマンドを記述してからコピーします。

 gmtset DEGREE_FORMAT 3 BASEMAP_TYPE plain FRAME_WIDTH 0.1c[return]
 pscoast -JD135/35/8/16/7.5c -R125/150/25/50 -Ba4.0f4.0g4.0/a4.0f4.0g4.0WSne -Df -G255 -A1 -W1
 -P -V -X5c -Y5c > japan.eps[return]

 上記の[return]までを改行せずにメモ帳で入力します。入力したコマンドが間違っていないか確
 認してすべてをコピーし、C:\GMT>の後ろに貼り付けると、GMTのホルダーにjapan.epsというファ
 イルができます。このファイルを開くには、フォトショップかイラストレーターというepsファイルを
 見ることのできるソフトが必要です。フリーのPostScript表示・変換ソフトソフトで見ることもできます。

 2行目の
 -JD135/35/8/16/7.5c -R125/150/25/50
 は表示する地図の投影法と表示範囲を指定しているので、135/35,125/150の値を変えると
 世界中のどの地域の海岸線も描くことができます

(4) 震央分布図
 震央分布図を書くときのコマンドは以下のようになります。

 gmtset DEGREE_FORMAT 3 BASEMAP_TYPE plain FRAME_WIDTH 0.1c[return]
 set INPUT=0-30.dat[return]
 set OUTPUT=0-30.eps[return]
 pscoast -JD135/35/8/16/12c -R125/156/23/47 -Ba5.0f5.0g5.0/a5.0f5.0g5.0WSne -Df -G255 -A1 -W1 
 -P -V -X5c -Y5c -K> %OUTPUT%[return]
 gawk-w32 "{print $3, $2, $5*0.01}" %INPUT% | psxy -JD -R -Scc -O -V -L -G200 -W2 >> %OUTPUT%
[return]

 震央のデータを、2行目で指定した「0-30.dat」という名前を付けて、GMTホルダー内に用意しておき
 ます。このデータは各項目がタブ区切りで区切られている必要があります。エクセルでデータを加工する
 ときは、タブ区切りで保存すれば使えるデータとなります。
 上記のコマンドを実行すると、3行目で指定した「0-30.eps」というファイル名で、日本地図と震央が描
 かれたファイルがGMTホルダー内に作られます。

(5) 震央データ
 震央データは、防災科学技術研究所のホームページ、F−NETの気象庁の震源情報から検索からダウン
 ロードしています。 発生時刻、緯度、経度、深さ、マグニチュードを指定し、出力フォーマットをテキ
 スト形式、タブ区切りとして検索をかけます。表示されるデータの最初の1行は項目が漢字で表示されて
 いるので、2行目以降をメモ帳か、ワードパッドにコピーして「**.dat」というテキストファイル
 で保存します。

 1つの地震についてたくさんの項目がありますが、震央表示に使ったデータはコマンドの最後の行にある
 gawk-w32 "{print $3, $2, $5*0.01}" で指定している2,3,5項目めの緯度経度とマグニチュードで
 す。なお、このコマンドのgawk-w32はWin98で使う場合はgawkとします。