307.爆弾低気圧の一生

(1)爆弾低気圧とは

 最近、テレビなどのメディアでよく耳にすることがある「爆弾低気圧」とは、急激に発達す
る温帯低気圧のことで、正確には、低気圧の中心気圧が、24時間の間に 24×sinφ/sin60°
[hPa]以上低下する温帯低気圧のことです。(φは緯度)
 このような、1日に20hPa以上もの気圧低下が見られる低気圧は、思いがけない天候の悪化
をもたらすため、防災のために注意をはらう必要があります。

(2)2007年1月上旬の爆弾低気圧  (画像をクリックすると拡大画像になります)
ラジオ天気図
ひまわり赤外+天気図 
(ひまわり画像:気象庁・東京大・高知大
天気図:気象庁・メテオプラネット 提供)
空のようす
3
日
東シナ海に低気圧が発生する前兆があります。
すでに南岸には解析されていない停滞前線の雲が見られ、三重県には巻層雲がかかって
太陽の暈や幻日が見られました      
4
日
南岸に停滞前線が現れそうで、この日も三重県は巻層雲におおわれました。
そして、暈・幻日・タンジェントアーク・環天頂アーク・ラテラルアークなどの
大気光象が一度に見られるというとても珍しい空の光景となりました
5
日
南岸に停滞前線があり、三重県では今日も巻層雲に幻日が見られました。
6
日
南岸と日本海に低気圧が発生し、三重県には中層雲が多くなりました。
9時、低気圧の中心気圧は1010hPaです。      
7
日
前夜までに低気圧が一体化し、9時の中心気圧は、964hPaと24時間で、46hPaも低下しました。
夜のうちに西高東低の冬型気圧配置が強まり、日本海側で降雪と雷、三重県北部でも降雪がありました。
また、北陸地方の雷に伴う、上空の放電現象「スプライト」がとらえられました。
北海道、東北の日本海側でとても風が強くなっています。      
8
日
低気圧の中心気圧は950hPaにまで低下しました。
三重県には下層雲が流れ込んできました。      
9
日
爆弾低気圧がオホーツク海に去って冬型がゆるみました。
三重県では、冬型のなごりのような積雲と上空の青空の対比が美しく見られました。