314.高々度放電現象(2006年末/2007年、2007年末/2008年) (1)2006/07年冬季の高々度放電現象 地上の雷と同時に中間圏の高度に発光が見られる現象で、「スプライト」や「エルブス」 などがあります。 冬季に北陸地方で発生する冬季雷に伴うものを三重県から観測しやすいのですが、この 冬は暖冬のために冬季雷が少なく、したがって高々度放電現象の発生数も少ないものでし た。なお、スプライトはねばり強く出現を待てば、肉眼でも確認することが可能です。 (2)2006/07年冬季の高々度放電現象の映像 以下、いずれも桑名市から北の方角を撮影したものです。 @ 2006年12月17-18日の夜 この夜は、スプライトの出現は1個でした。北陸方面の地上雷、流星などとつなげて編 集した映像をご覧ください。
<2006年12月17-18日の夜の映像を見る> A 2007年1月6-7日の夜 場所を変えて連続出現する「ランニング・スプライト」や近い距離にあらわれたスプ ライトなどがとらえられました。
場所を変えて連続出現する ランニング・スプライト <画像をクリックして拡大> |
近い距離にあらわれた 明るいスプライト <画像をクリックして拡大> |
<画像をクリックして ビデオ映像を再生> |
B 2007年1月12-13日の夜 スプライトとともに、その上方に出現するドーナツ状の発光「エルブス」がとらえら れました。
明るい光の柱がスプライト群で、その上に見られるドーナツ状の光が「エルブス」 エルブスは熱圏の高度での現象 ↓ コントラストをつけて階調を反転した画像 |
C 2007年2月10日-11日の映像 この夜は、1個のスプライトがとらえられました。同じ時刻に、石川県金沢市において 「一発雷」(エネルギーの大きな雷)が発生し、多くの人が音に驚いて起きるということ がありました。(エネルギーの大きな雷のときに高々度放電現象が発生しやすいのです。) <スプライトの映像を見る>
(2)2007年夏季〜2008年冬季の高々度放電現象
@ 2007年6月9日-10日のスプライト
三重県で寒冷渦による雷雨があった日。
夜には東海沖で雷雨があり、6件のスプライトが発生しました。
しかし、翌日にも雷が見られましたがスプライトは出現しませんでした。
スプライトは雲のマイナス電荷と地上の放電(正極性雷)に伴って生じやすいことが関係していると
思われます。
(画像をクリックして拡大) |
A 2007年12月15日-16日のスプライト
上空500hPa気圧面の高度で、-30℃の寒気が本州全部を覆うほどまでに南下。
これによって、大気の状態が不安定となり、北陸で冬季雷が発生。
三重県桑名市から7個の現象がとらえられました。
北陸地方の上空にあらわれたスプライト(三重県桑名市から撮影) |
B 2007年12月30日-31日のスプライト
北陸地方の上空にあらわれたスプライト(三重県桑名市から撮影) | |
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