体重を量ると仙台市ではほんの少し重く、津市ではほんの少し軽い、ということの検証実験を試みました
 物の重さは重力の影響を受けていています。ということは、仙台市と津市とでは重力に違いがあると考えられます。
重力:最小
重力:小
重力:大 
重力:最大
引力
遠心力:最大
遠心力:大
遠心力:小
遠心力:0
 重力の差は「地球の自転によって起こる遠心力」と「引力」の違いによって生じます。
 北極では地球の自転軸から距離がないため回転によって外に振られる力(遠心力)がほぼゼロとなります。重力は引力と遠心力の合力であるため、北極では引力が大きく遠心力がないので重力は大きく、赤道では引力は小さく遠心力が大きいので重力は小さくなります。

 このことから、南北に長い弧状列島日本でも北と南ではわずかに重力が異なり物の重さも変化します。

 また地球は横に長い楕円形をしている事から、地球の中心から近い北極や南極では引力は大きくなります。(図の説明にはありません。)

<電子天びんと200gの分銅を使用>

 同じものをどこへ持っていっても質量はかわりません。60kgの質量は津市でも仙台市でも60kgです。月面でも60Kgです。ところが、体重60kgの人が月へ行き、地球で使っていたヘルスメータをそのまま使って体重をはかったとします。するとそのヘルスメータの表示は約10kgを示します。

 これは月面での重力は地球上の約1/6しかなく、ヘルスメータは原理的には質量計でなく、重力計だからです。ヘルスメータは物体にはたらいている重力の大きさをもとに質量を表示しています。
 電子天びんも基本原理はヘルスメータと同じ重力計です。だから電子天びんも重力が異なる別の場所に移動した際にはその場所での重力計となります。

日本各地の重力の違い

場所  重力加速度(m/s2)
札幌     9.805
仙台     9.801
東京     9.798
津      9.797
大阪     9.797
鹿児島   9.792
津市で測定(GPS)
N 34°43’54.8” 
仙台市で測定(GPS)
N 38°15’42.7” 
GPSの地図の写真
GPS緯度のデータ
水平に置き0点調整
水平に置き0点調整
200gの分銅をのせる。
200gの分銅をのせる。
GPSの地図の写真
GPS緯度のデータ
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326.緯度による重力加速度のちがい