337.日本海低気圧と春一番

(1)春一番とは

 「春一番」とは、春先に最初に吹く強い南風のことですが、定義としては、立春から春分ま
での期間の最初に吹く、風速8m/秒以上の南より(東南東〜西南西)の風のことです。
 ことばのイメージはおだやかなものですが、日本海を通過する低気圧に南から風が吹き込む
現象なので、低気圧による擾乱や強い風・突風などによって災害の起こることもあります。

(2)2007年の春一番

@ 2月13日
 高気圧におおわれて朝から快晴の天気でしたが、午後になってたくさんの飛行機雲や巻雲な
どの上層雲があらわれはじめました。12時の天気図で東シナ海に進んできた低気圧による上層
雲です。
17時30分 西の空(津) 12時のひまわり(赤外)と天気図
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A 2月14日
 12時の天気図で、日本海に中心気圧996hPaの2つの低気圧が発達しながら進んできました。
夕方には低気圧が1つになって、寒冷前線が三重県を通過しています。天気図を見ると、この
低気圧のために各地で強い風が吹いています。特に、暖域(温暖前線と寒冷前線の間)で南よ
りの風が吹いていることがわかります。これが典型的な「春一番」です。
12時35分 高層雲が厚くなってきました 17時08分 乱層雲から雨が降っています
12時のひまわり(赤外)と天気図 18時のラジオ天気図
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B 2月15日
 春の訪れを告げる「春一番」ですが、その翌日は、低気圧が東に去って西高東低の冬型気圧
配置になる傾向があります。15日12時の天気図を見ると、東シナ海の高気圧(1026hPa)と北海
道付近の低気圧(984hPa)の間にたくさんの等圧線がならぶ冬型になりました。気象衛星画像
(赤外)では、日本海にすじ状の雲が見られます。
北西の空 14時45分 津市 12時のひまわり(赤外)と天気図
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<昼頃の雲の動きを120倍速で見る>
西の空にカメラを向けており、積雲が西北西から流れてきます