338.太陽からの赤外線だけで火をつけよう

 紀元前200年頃、シラクサの天才学者アルキメデスは多くの鏡で太陽の光を集め、攻め上る
ローマ軍の船を燃やしたという伝説があります。あくまでも伝説上の話ですが、この実験では
物質の温度を上昇させる赤外線について着目してみます。

 太陽の光には、さまざまな連続した波長の電磁波を含んでおり、主なものとしては、紫外線、
可視光線、赤外線があげられます。

  赤外線 ・太陽光線のうち、人間の目には見えない波長領域780〜2,100nmの光。
      ・赤外線が物質の分子に吸収されて、物質の温度を上昇させる。

  可視光線・太陽光線のうち、人間の目に見える波長領域380〜780nmの光。 
       (赤橙黄緑青藍紫)

  紫外線 ・太陽光線のうち、人間の目には見えない波長領域280〜380nmの光。
      ・強い日差しを浴びると日焼けをおこしたり、目に炎症や皮膚癌の原因にもなる。
      ・体内でビタミンDの生成に役立つ。
      ・殺菌作用を持つ。

(1) 太陽光の光あつめの要領で、下左図のように紙を焦がしてみる。(赤外線は見え
   ないので、あらかじめ集まる場所を探しておく。)

(2)(1)で紙が焦げるのを確認したら、光吸収・赤外線透過フィルターを下右図のように
   レンズの手前に設置する。光の集まりが見えないのに紙が焦げてきます。

     写真1 実験中の写真            写真2 光の集まりがないのに黒い紙からの煙

富士フイルム(IR-90 光吸収・赤外線透過フィルター(IRフィルター) 7.5X7.5)を使用しました。価格は1000円程度です。