504_1.ホームズ彗星の大アウトバースト−大きさの測定−

(1)彗星のアウトバーストとは
 多くの彗星は、太陽をひとつの焦点とする細長い楕円軌道を描いて公転しています。太陽に
近づいたときに、その放射によって温度が上昇し、揮発成分が気化して固体微粒子(ダスト)
をまきあげて、コマや尾を作り、明るくなります。
 1892年にイギリスのホルムスによって発見されたホームズ彗星(6.9年の軌道周期)は、当
時、肉眼でも見えた明るいものでしたが、その後の回帰では、見られても15〜16等級で、発見
できない年がほとんどでした。1964年からはたいへん暗い彗星として、観測が続けられていま
した。
 2007年10月25日、前日までペルセウス座にあって17等級の明るさだったこの彗星が、突如、
2等台まで増光しました(約40万倍もの増光)。大規模なアウトバースト(爆発)を起こして、
太陽光を強く散乱するようになったものと考えられています。
 その後、2008年のはじめまで肉眼で見えるとともに、コマの大きさが一定の割合で大きくなっ
ていったことが観測からわかりました。

(2)ホームズ彗星のコマの大きさの測定と膨張速度(実習)

 資料を用い、下記の説明にしたがって、ホームズ彗星の実際の大きさや、膨張速度を計算し
てみましょう。(ほぼ、一定の速度で膨張していることなどがわかります。)

<資料>ホームズ彗星の画像(各画像をクリックすると拡大画像を表示)