504_2.ホームズ彗星のアウトバースト−明るさ・大きさ・位置の変化−

2007年10月24日に、急激な増光を始めたホームズ彗星は、肉眼で見える程度の明るさ(2〜3等級)になりました。
増光前は17等級だったので、40万倍もの明るさになったことになります。
中心角の周りに見える丸い「コマ」が、日を追って広がっていく様子が分かります。
1.増光から3日後の10/27の写真です。彗星はボンヤリとして見つけにくいのが普通ですが、この彗星は画面右の満月すぎの月明かりにも負けずによく見えました。

白線で示したのがホームズ彗星です。左の緑色の光は明るい月によるカメラレンズ内での反射(ゴースト)です。
(20mm広角レンズにて撮影)

2.見た目の大きさは日ごとに大きくなり、ついには月の見かけの大きさを超えてしまいました。

(望遠鏡に取り付けたカメラで撮影)

大きさの変化をビデオで見る
大きさの変化をグラフで見る
*月や太陽より直径が大きくなったからと言っても、彗星の質量は小さいままです。

*彗星が広がるにつれて、輪郭がボンヤリとしてきます。そのため、グラフに示した11月下旬以降の大きさは、かなり誤差を含んでいるものと考えられます。

3.彗星は広がりながら星座の中を移動していきます。

(100mmレンズで撮影)

4.ペルセウス座のホームズ彗星。カシオペアやスバルが見えています。
写真の上にマウスを置いてください(クリック不要)。星座線が表示されます。
(20mmレンズで撮影)


5.14等級明るくなるイメージ
1〜2等星と満月の明るさ(-12.6等級)との違いが、ほぼ14等級差に相当します。
下のオリオンの見えている写真の上にマウスを置いてください(クリック不要)。
写真の1.6等星が満月の明るさになったのが、今回のホームズ彗星のアウトバーストに相当します。
*これは合成画像ですので、写真の1.6等星が突然明るくなったのではありません。また、月がオリオン座にやってくることもありません。
あくまでも光度差のイメージとしてとらえてください。