202.雲の名前(十種雲形)と観察

(1)雲の名前

 雲の名前(十種雲形)は、下の表のように、2種類の形と、現れる空の高さ・雨を降ら
すかどうか、の特徴を組み合わせて作られています。しかし、実際の雲を見ても遠近感は
ないので、イラストのような高さごとの雲の特徴を把握して覚えることになります。写真
を見て覚えるには、次のような書籍が参考になります。
   「雲の名前の手帖」 ブティック社 高橋健司
  また、微速度撮影した雲の映像をたくさん見ると、雲の重なり方がとてもよくわかり、
どのような特徴の雲が上層・中層・下層に現れているのかを自然に見る力がついてきます。

  
(2)十種雲形の画像集
  雲の種類(十種雲形) 各画像をクリックすると拡大
上層(7000〜12000m)にできる雲
巻雲
高い空にあらわれる、はけではいたよ
うな繊維状の雲。低気圧が接近すると
巻層雲に変わっていくことが多い。
巻積雲
高い空で小さい小雲がたくさん集まり
小石を敷きつめたように見える。通称、
さば雲・うろこ雲・いわし雲など。
巻層雲
透明なベールのような薄い雲。なめ
らかな層、または繊維状の重なり。
太陽のかさができることがよくある。
中層(2000〜7000m)にできる雲
高積雲
中層に小雲が集まった白か灰色の
ふつうは水滴でできた雲。
高層雲
中層で空を一様におおう灰色の雲。
雲を通してぼんやりと太陽が見える。
乱層雲
雨や雪を降らせる暗い灰色の厚い
雨雲。雲底が地表付近にくることも。
下層(地表付近〜2000m)にできる雲
層積雲
低い空の雲の塊や層。明るい白から
暗い灰色まで混ざっている。
積雲
低い空のもくもくした雲。晴れた日に
対流でできやすく大きくなることも。
層雲
地峡近くにできる輪郭のぼやけた
灰色の雲。雲底が地面に達すると霧。
積乱雲
雷をおこすことが多い雲で、高く発達し、圏界面で横に広がり、
繊維状のかなとこ雲になる。 およそ雲底600m〜雲頂13000m。
 
(3)地上から見えている空(対流圏)の広さ

 津市を中心とする距離の目安

  
  


(4)雲の観察シート

 微速度撮影した雲の映像と、気象衛星雲画像、天気図、気象観測データなどを一つのシ
ートに記録していくことで、気象現象の理解が深まります。