622.うるう秒 (1)うるう秒とは 2009年1月1日9時。世界中の時刻がいっせいに1秒追加されました。 これは、地球の自転速度がほんの少しずつ遅くなっていることからくる、時刻と天体の動き とのずれを補正するものです。 (2)うるう年とグレゴリオ暦 閏(うるう)年は、4年に一度、2月を一日多くするものとしてよく知られていますが、こ の補正は、地球の公転周期が自転周期の整数倍にはなっていないことからくる暦と季節のずれ を補正するものです。うるう秒とは別のものですが、参考までに解説します。 1年=365.2422日 平年を365日とし、4年に一度366日とすることで、1年を365.2425日とする ことができます。じつは、これは過剰補正になるため、100年に一度、閏年を採用せず、1 年を365.24日とし、さらに残りの0.0022日のずれを補正するために400年に一 度うるう年を復活させます。こうすることで、1年=365.2425日としていることにな り、実用上問題がなくなります。この暦が「グレゴリオ暦」で、現在、世界中で採用されてい る暦です。 実際の運用では、西暦年数が4の倍数の年を閏年とし、100の倍数の年を平年、しかし、 400の倍数の年はうるう年としています。 したがって、1900年や2100年は4の倍数にもかかわらず平年、そして2000年は 400の倍数と言うことでうるう年でした。 (3)うるう秒を必要とする原因 うるう秒の補正を必要とするのは、地球の自転が少しずつ遅くなっているためであり、その 原因は、潮汐によって生じる岩石圏と海水の摩擦で回転の運動エネルギーが失われていること です。 (4)「うるう秒」の映像を見る 今回のうるう秒は、世界標準時で西暦2008年から2009年にかわるとき、すなわち日本標準時 の9時に1秒を追加することとなりました。 具体的には、55秒・56秒・57秒・58秒・59秒・60秒・00秒・01秒・02秒として、1秒を多く しています。 各種の時報では、1秒を増やすのにいろいろな方法をとりましたが、もっともこの形どおりに したのは、NTTの光インターネットによる電話の時報で、00秒のときに2回の時報を鳴らして 1秒をふやしていました。次の映像でご確認ください。(音声使用許可をNTT西日本よりいた だいています。また、小さなほうの時刻表示はアラームの設定で無関係なものです。) 「うるう秒」の映像を見る