単スリットを用いた光の回折・干渉の実験

(1)単スリットの作り方(簡単でけっこう精度のよい単スリット)

  スリットに適した素材とは、薄くて光を通さず直線性にすぐれているという性質
 を持つものです。金属を薄くしたカミソリ刃などが適していますが、事故の危険が
 あります。そこで、じゅうぶんにスリットとして使用でき、安全で加工もしやすい素
 材として、「使用済みプリペイドカード」があります。
  穴をあけた厚紙にプリペイドカードを貼って、単スリットをつくります。

(2)単スリットによる光の回折

            
   単スリットのすぐ近くでスリットを通過した光を見ると、回折によって広がる光
 を見ることになるので、光線を逆延長したところ、つまり光源の周囲からも光が
 来るように見えます。
 
(3)単スリットによる光の回折と干渉

  実際には、単スリットを通る光も、干渉を起こします。
 
  そのため、単スリット付近に目を近づけて光源を見ると、干渉で強められた光線
 の逆延長線上、つまり光源の周囲に別の光源があるかのように見えて、干渉縞
 が見られます。

     

(4)単スリットの幅による干渉縞のちがい

  干渉縞の間隔は、スリット幅の狭い方が、広くなります。  

 @スリット幅が広い場合(0.6mm) <画像をクリックすすると拡大表示になります。>
           

 Aスリット幅が広い場合(0.1mm) <画像をクリックすすると拡大表示になります。>
           
 
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(5)まつげによる回折・干渉

 目を細めて点光源や線光源を見ると、まつげによって回折・干渉した光を観察することができます。
 まつげによる回折・干渉かどうかをたしかめるには、顔の角度を回転させるなどすればわかります。

 この実験の観察は、生徒にとって自分で見て認識しているものが目的のものなのか、確認しにくい感じがあります。
そこで、ビデオカメラの前に、「つけまつげ」を置いて実験し、その映像を全員で確認するのが効果的です。

まつげの実験を見る