721.コンポジット(比較-明)による星座の日周運動の画像 (1)コンポジット(比較-明)とは デジタルカメラなどで撮影した複数の画像を合成する技法のなかで、各画素ごとにすべての 画像のうちで最も輝度の高いものを採用して1枚の合成画像をつくる方法のことです。 (2)星座の日周運動に活用するメリット フィルムカメラを用いる場合には、長時間露出によって撮影しますが、光害などによるかぶ りが生じないよう、レンズを絞って撮影する必要がありました。デジタルカメラを用いると、 レンズの絞り値を小さい(明るい)状態でかぶりの出ない短時間露出の撮影を繰り返し、これ らを合成することでたくさんの星が写りこんだ日周運動の画像が得られ、都市部でさえも良質 な教材写真を作ることができます。 (3)撮影方法 @デジタルカメラを三脚に固定する。 Aできるだけ明るい絞り値で、どの程度の露出時間が可能かを調べるためのテスト撮影を行う。 なお、レンズによっては明るい絞り値ではレンズ収差が出るので、開放から1段階程度絞る のがよい。 B露出時間を決定したら、撮影をくりかえす(インターバル撮影)。インターバルの時間は、 1〜5秒程度(望遠レンズならば、短くする)。 (4)コンポジットの方法 大量の画像についてコンポジット(比較-明)を行うのに便利なフリーソフトを用いる。 例として、「LightenComposite」を用いる場合を以下にとりあげる。 @コンポジットしたい画像をひとつのフォルダにまとめる。 A「LightenComposite」を起動。 B画像フォルダとして、@のフォルダを選択する。 C保存場所と保存ファイル名を指定して、「実行」をクリックする。 (5)作例の紹介 りゅうこつ座のカノープスやおおいぬ座などの日周運動です。 桑名市から南の方角で、明るい街灯りがありましたが、たくさんの星が写っています。 (6)コンポジットを活用した日周運動のムービー作成法 連続撮影したnコマの画像を用いて、第1コマから第kコマまでのコンポジット(比較-明) をk=1からk=nまで作成します。このように作成したn枚の画像をスライドショーにする と、高画質な状態で星座の動きをみることができます。ここでは、動画として仕上げたものを 作例としてご覧ください。 <動画を見る> コンポジット(比較-明)で作成したカノープスの日周運動 (15分間を24秒に短縮、3Mbps)
(5)-1 50mmf2.8 露出15秒 ISO400 インターバル2秒にて撮影したうちの1枚 2009年11月14日 2時46分〜2時58分 撮影地:桑名市 |
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作例 (5)-2 コンポジット(比較-明)による合成画像 ポインターを画像に置くと、カノープスの説明が表示されます。 |
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