722.ガリレオ式望遠鏡の製作

(1)ガリレオ式望遠鏡とは

 ガリレオ・ガリレイが、望遠鏡を作り、それで宇宙を眺めたのは、1609年末といわれています。月にはクレーターが
あること、天の川が無数の星の集まりでであること、木星には4つも月が回っていることなどを発見しました。今年は、
ガリレオの望遠鏡による宇宙観測から400年を記念して、「世界天文年2009」です。

 ガリレオが使った望遠鏡は対物レンズに凸レンズ、接眼レンズに凹レンズを用いたもので、ガリレオ式と呼ばれて
います。フローレンス科学博物館所蔵のガリレオが使った望遠鏡のデーターは次のようなものでした。

  対物レンズ径 51mm  有効径 26mm  焦点距離 1330mm 
  接眼レンズ  26mm  有効径 11mm  焦点距離 –94mm
  倍率     14.15倍
 ガリレオ式望遠鏡は、構造が単純で正立像が得られますが、視野が非常に狭くなるため現在の望遠鏡では
ほとんど使われず、接眼レンズに凸レンズを使ったケプラー式が使われています。

 

 ガリレオ望遠鏡製作に使用するレンズについて。
 対物レンズ 老眼鏡のレンズ 視度1.5 焦点距離750mm(1000÷1.5)
 接眼レンズ オペラグラスの接眼レンズ 焦点距離 40mm
 倍率 18.75倍
(ケプラー式には オペラグラスの対物レンズ 焦点距離100mmを接眼レンズとして利用)

(2)ガリレオ式望遠鏡製作
◎ 全体図

◎ 製作手順

①摺動リング①②とレンズセル①②を作る。
 各々の筒を芯にして15mm幅に切ったケント紙をのり付けしながら丸める。
・摺動リング  A = 29.5mm (接眼筒外径)  B = 38mm (鏡筒内径)
・レンズセル  A = 41mm (鏡筒外径)     B = 44mm (フード内径)
 レンズセル②の内面は黒塗りする。


②フードを作る。
 レンズセルを芯にして60mm幅に切ったケント紙をのり付けしながら丸める。(ケント紙2重巻き)
 フードにレンズセル②を接着する。フード内面はレンズセル②より前を黒塗り。


③絞り②を作る。
 ケント紙を鏡筒内径に合わせて丸め、絞り環を接着する。(ケント紙5重巻き程度)  内面および絞り環を黒塗り。


④接眼筒部の組み込み。
 接眼筒の対物レンズ側に摺動リング②を接着、その前に絞りを接着する。絞り環は黒塗り。
摺動リング①は接眼筒とは接着せずに鏡筒に挿入して鏡筒と接着。


⑤絞りの挿入
鏡筒の対物レンズ側から絞り②を挿入し軽く接着する。
接眼筒を半分程度入れた状態でのぞき、絞りの穴と鏡筒の口の大きさが同じになる場所に固定する。

⑥対物レンズの固定
鏡筒の先端にレンズセル①を接着する。
レンズセルの3カ所にボンドコークをつけてレンズを軽く接着する。
フードを差し込んで光軸をあわせる。
太陽光を壁に投影し筒の影の中心に太陽像がくるようにする。
接眼レンズは周囲にセロテープを巻いて接眼筒の内径と合わせる。
ケプラー式用の凸レンズ接眼レンズは外周にケント紙を巻いて接眼筒の外側に差し込んで使う。