742.自作クリノメーター

(1)クリノメーターとは
 地層の走向と傾斜を測定し、地層の位置や状態を調査するのに使う用具、方位磁石と水準器
および傾斜計からなる。
 方位磁石のE−Wの表示が逆になっているのは、走向をよみやすくするため。

・走向
  地層の層面と水平面の交線の方向。北を基準とし何度東か西かで方向をあらわす。
 クリノメーターの長辺を層面に密着させながら、水準器を使ってクリノメーターの底面を水
 平にして、方位磁針のさす外側の目盛りをよむ。
・傾斜
  走向に直角に傾斜する線の方向と地層の層面と水平面のなす角であらわす。
 走向と垂直に、クリノメーターの側面を層面に密着させ、内側の目盛りで傾斜をよむ。

(2)クリノメーターの製作
 ホームセンターや100円ショップで手に入るものをつかって、クリノメーターを作ります
 材料  ベニヤ板、ボール型方位計、スチレンボード、両面テープ

9mm厚ベニヤ板 7mm厚スチレンボード 2枚
@ ボール型方位計の金具を取り、金具の付け根に両面
テープを巻き付けてベニヤ板の穴に差し込む
A スチレンボードを2枚、ボール型方位計の周りに接着する。
B 走向・傾斜目盛りをスチレンボードの上にはる。
(N−S方向をベニヤ板の長辺方向にそろえる。)
 水平な台の上に置き、ボール型方位計の気泡の位置を
マジックで描く。(水準器の代わりとしてつかう)

(3)使い方(走向・傾斜の読み方)

走向 ボール型方位計の気泡を見ながら、クリノメーターが水平にな
るように層面に押し当てる。
外側の目盛りで方位計の矢印の指す走向をよむ。

 写真の場合は、N55°E

傾斜 走向と直角方向にクリノメーターを置き、気泡の中心で傾斜角度
をよむ。角度は内側の数値。

写真の場合は30°