802.天体の位置測定器 星などの天体の位置を測定して記録し、時間がたつと移動していくようすを調べる学習は家庭での 課題として行い、方位角や高度角の測定方法としては、腕を伸ばしたときのにぎりこぶしを10°とす る指導が多いようです。とてもよい体験学習なのですが、問題点が少しあります。ひとつは測定精度 が悪いことで、複数の星について1〜2時間程度の移動を記録する場合、よくわからない結果になり がちです。もうひとつは記録用紙の座標の問題で、方位と高度をいわゆる直交座標に記録すると、 天頂付近がとてつもなく広がっているのです。 今回は、小学校4年生の児童が自分で製作できる「天体の位置測定器」開発を目指しましたが、 材料の関係で先生方に下ごしらえをしていただくことが必要な部分があり、その意味では未完成とい えます。紙筒などを用いて、より工作が容易なものに替えていただきたいと考えています。 また、記録用紙は直交座標ではなく、「半球プラネタリウム座標」の試行をおすすめします。
(2)<準備物>
1000mlミディ・ペットボトル 厚紙 紙分度器2枚(ダウンロード可能)
はりがね(約13cm) プッシュピン ストロー
塩ビパイプ(内径13mm、長さ30cmていど)
はさみ カッター リーマー(穴を広げる道具)
<製作手順>
@180°の紙分度器を厚紙にはり、中心に穴をあけてペットボトルの首に差し込み、穴をあけたキャップで固定する。
A90°の紙分度器を厚紙に貼り、90°の線と平行にストローをセロハンテープ取り付ける。塩ビパイプの先端付近(かるく
穴をつくりかけている部分)にプッシュピンで取り付ける。
B塩ビパイプをペットボトルにさしこみ、ボトルの底の突起部分にのせる。
Cストローが南(方位目盛りの90°)を向いているときに針金の先端が南の方位を指すようにセットする。
<使い方>
@真南の方向にあるものをあらかじめ調べておき。真南の方位あわせを行う。以降、ペットボトルは動かさない。
(動かす必要がある場合は、ペットボトルの位置の目印を土台となる物に記しておく。)
Aストローをのぞいて星に合わせ、方位の角度と高さの角度を読み取る。