804.長周期変光星ミラの観測(実習) (1) くじら座の変光星「ミラ」とは
くじら座のミラは長周期変光星の代表的な星で、約332日の周期で約2等から約10等の変光を繰り返します。
最大直径が太陽の500倍という赤色巨星で、星の大気層が膨張、収縮を繰り返すことで脈動変光します。
これは、惑星状星雲への進化の途上であると考えられています。
ミラの光度がもっとも明るくなるのは、直径が小さくなった後、再び膨張しはじめる頃です。
(2) 撮影した写真から、ミラの等級を測定
次の2枚の写真は2010年10月26日と12月24日に撮影されたもので、矢印の先の星の明るさが変わっていることがわかる。
各々の写真と等級(星の明るさ)の記された星図からミラの等級を推定してみよう。
2010年10月26日
2010年12月24日
ミラ周辺の恒星の等級
(3) 測定結果
コンピュータ計測ソフト(ステライメージ)を使って、写真から星の明るさを測定して数値化した表。
10/26の写真より測定した値 | |
等級 | 明るさ(count値) |
2.5 | 2169 |
3.5 | 1266 |
3.8 | 1016 |
4.1 | 910 |
4.3 | 914 |
4.3 | 990 |
4.6 | 887 |
4.7 | 671 |
4.9 | 808 |
5.3 | 743 |
5.3 | 755 |
5.4 | 617 |
5.6 | 511 |
6 | 360 |
6.1 | 404 |
ミラ | 1935 |
等級と明るさのグラフ。