811.月光のタンジェントアーク−月の高度に伴う形状の変化−

(1)タンジェントアークとは

 巻層雲などの上層の雲に存在する氷晶に太陽や月の光線が当たって屈折することにより、様々な大気光象
が現れます。
 六角柱の氷晶の側面が長く、鉛筆のような形状をしているときには、図のように、六角形の底面が鉛直に
なる姿勢が大気中で安定し、光線が氷晶の軸と垂直な場合には太陽から22°上方(または下方)にその光が
見えます。また、氷晶の軸が太陽光線と垂直でない場合に見られる方向は、前者の光とよく似た地平高度に
なるため、全体として22°ハロ(内暈)と接する曲線となり、これらの光は「タンジェントアーク(上端接
弧/下端接弧)」と呼ばれます。
 タンジェントアークの形状は太陽(月)の地平高度によって、次のように変化します。
・太陽高度が高いとき  上部タンジェントアークはお椀をかぶせたような形で、下部タンジェントアーク
とつながって外接ハロとなることもある。
・太陽高度が低いとき  牛の角のような曲線となる。
(2)タンジェントアークの形状変化

 月光によるタンジェントアークの形状が月の高度が低くなっていくのにつれて変化していく様子を写真で
示します。
 撮影データ 2011年2月20日(土) 16mmレンズ使用(少しトリミング)

  4時19分 月の高度 32.9°
  4時36分 月の高度 29.9°
  4時54分 月の高度 26.6°
  5時34分 月の高度 19.1°
  5時46分 月の高度 16.8°




(3)動画でみるタンジェントアークの変化

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 データ  4時17分〜6時02分まで、1分ごとのインターバル撮影を行い、10フレーム/秒の動画にしたもの。