902.天の川を観察しよう−わたしたちの銀河−

(1)天の川とは

 肉眼で見える全天の恒星数は約6000個ですが、太陽系は2000億個の恒星の大集団である銀河系の中に
あります。
 宇宙にはこのような恒星の大集団「銀河」がたくさんあり、太陽系をふくむ銀河を「私たちの銀河」
(Our Galaxy)と呼びます。
 「わたしたちの銀河」の姿をその外側から見た人はありませんが、渦巻きの構造をした円盤形である
ことがわかっており、アンドロメダ銀河(写真1)とよく似た姿をしているといえます。
 ところで、太陽系は、半径5万光年の円盤の、中心から3万光年の位置にあり、地球から夜空を見ると
銀河円盤の方向にたくさんの星が見えることになります。これが「天の川」なのです。


写真1 アンドロメダ銀河(M31)
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(2) 各方向の天の川−

 天の川は天球上で私たちを取り囲むように一周しています。
 (宮沢賢治の小説『銀河鉄道の夜』では、はくちょう座からみなみじゅうじ座まで鉄道が走っていきます。)
 季節ごとに天の川の見えている部分がことなるので、それぞれ「春の天の川」「夏の天の川」「秋の天の川」
「冬の天の川」と呼ばれますが、春の天の川は赤緯が低く、日本からは見えない部分が多くなっています。


写真1 夏の天の川 (24mmレンズで撮影)
 銀河系の中心方向はいて座にあり、この方向の天の川が最も星が多く、明るく見える部分です。星間物質
による光の吸収も顕著で、もっとも迫力のある天の川の部分です。


写真2 夏の天の川〜秋の天の川 (Fisheyeレンズで撮影)


写真3 秋の天の川〜冬の天の川(Fisheyeレンズで撮影)