903.緯度による星座の見え方のちがい (1)緯度によって見える星、見えない星 地球上で星空を見るとき、地平線が天球の半分を隠してしまいます。 図1を見ながら、天球上のどのような場所にある星が見えたり見えなかったりするのかを考えて みましょう。 また、地球は自転をするために地平線に沈む星、沈まない星(周極星)があり、これも緯度によっ て違いがあることも考えてみましょう。 ただし、図1で恒星は実際には無限遠といえるほど遠方にあります。 図1 緯度によって見える星・見えない星
(2)沈まない星(周極星) 日本の三重県あたりからだと、北斗七星が周極星になるかならないかの限界で、たとえば北海道から ならば、北斗七星はすべて周極星となって、北極星の下を通過(下方通過)します。 デネブ(はくちょう座)やベガ(こと座)は日本では周極星ではありませんが、アラスカ(北緯65°) では完全に周極星となります。 図2 北斗七星と北極星
図3 アラスカにおける、ベガとデネブの下方通過
(3) 南中時にだけ見える星「カノープス」
カノープス(りゅうこつ座)は三重県ではかろうじて南中の頃だけ、南の地平線に顔を出します。
また、そのときの日周運動は地平線に沿うように東から西へ移動するものです。
図4 カノープス
<カノープスの日周運動>(望遠レンズで撮影した動画) ( ↑ クリック ) 図5 上の動画の軌跡