1004.「ジャコビニ流星群」と「ジャコビニ・ツィナー彗星」

(1)ジャコビニ流星群とは

 10月8日〜10日頃の夕方に突発的に出現する流星群で、流星物質を放出する母彗星が
「ジャコビニ・ツィナー彗星」です。かつては流星群の名称に母彗星の名前が使われて
いましたが、放射点のある星座名で呼ばれるようになってからは「10月りゅう座流星群」
または「りゅう座γ流星群」と呼ばれています。
 1911年頃に彗星と地球の軌道の接近による流星出現の可能性が指摘され、1933年に
ヨーロッパ、1946年にアメリカで流星雨(大出現する流星群)として観測され、1952年
には電波でのみ出現が観測されました。

(2)20世紀後半からのジャコビニ流星群

 母彗星の軌道の変化から、いったん出現がみられなくなったのち、1972年には母彗星
と地球がきわめて接近することから流星雨の出現が予測され、特に日本では流星雨ブー
ムとなって当夜を迎えることになりました。しかし、実際にはまったく出現をせず、ダ
スト・トレールの分布が彗星の軌道に沿うものではないことがわかってきました。
 その後、1985年と1998年に日本で、2011年にヨーロッパでジャコビニ流星群の出現が
観測されました。

(2)2018年のジャコビニ・ツィナー彗星の回帰

 ジャコビニ・ツィナー彗星の公転周期は約6.5年で、地球には13年周期で接近します。
 写真は2018年9月11日に撮影したものです。(近傍の散開星団はメシエ37)
撮影データ 2018年12月31日23h20m〜2019年1月1日00h09m(50分間)
    (10秒露出×270コマ 比較明合成)
       NikonZ6+24mmf/1.4(絞りf4) ISO800
     WB:太陽光 ピクチャーコントロール:ニュートラル
       Kenko prosoftonA フィルター使用