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2007年7月
「霧雨あがってHANABI (津市)
 
     顕著ではない停滞前線が本州によこたわり、伊勢平野では曇りでときおり霧雨の天気となりました。
     赤外と可視のひまわり画像を見比べてもわかるように、伊勢平野に弱い南東風で低い乱層雲ができており、
     地上観察ではその乱層雲の下部が地面に達しているような霧雨でした。
     前線霧といってもよいし、地上に薄い乱層雲ができてその中にいるようでもありました。

    このような気象状況では、基本となる数値予報は役に立たず、また、レーダーも2km以下はとらえられません。
     さらにアメダスも降水量が少ないために霧雨の状態を反映することができません。
     けれども、じっくりと空を見つめていると、この霧雨の雲の動きと濃淡の変化をとらえることができるのです。
     夕方、霧雨でしたが、じきに霧雨がなくなるような雲のようすでした。
     こうして、津市では恒例の花火大会が予定どおり催され、はじめは少し残った霧雨にぼやける感じでしたが、
     佳境に入る頃には、色とりどりに鮮やかな花火の競演を見ることができました。
     夜空を眺めていると、人工の灯火はとても醜く感じるのですが、花火だけはなぜかここちよさを感じます。
     つくる人の芸術性が伝わってきて、そして一瞬の華やかさ、潔さを感じるからかもしれません。
     余談ですが、各地で測候所が無人化されています。
     今日のような気象状態を把握できるのは空を見つめる人の力が必要です。
     もちろん、天気予報のための気象観測の効率だけを考えれば不要となるのでしょうが、気象観測だけでなく
     気象を核にした自然観察のステーションとして、一般に開かれた有人測候所の復活を望みたいものです。
     私自身、幼少の頃に人情味のある測候所で遊んでいた夏の記憶を忘れることができません。
     そういえば、学校は今日から夏休みみたいですね。
     長く続いた梅雨の風情も良かったけれど、そろそろ夏の日射しが待ち遠しくなってきました。
     

    
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津市 15:15 津市 18時
(気象庁・東京大・高知大提供のひまわり可視画像18時)

(気象庁・東京大・高知大提供のひまわり赤外画像と気象庁・メテオプラネット提供の天気図を合成)

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