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2007年7月
「月天心」 (前夜 夜半 桑名市)
 
     「月天心 貧しき町を 通りけり」 という与謝蕪村の俳句があります。
     一般に「月」は秋の季語ですが、満月近い月が天心(空の中心=天頂)に見える
     時期は実は冬至に近い季節です。
     これは、天球上の太陽の通り道である黄道が天の赤道と23.4°の傾斜をもつために
     冬に太陽の南中高度が低くなっているかわりに、その反対側にある満月の南中高度が
     高くなっているわけです。
     ですから前出の蕪村の句は師走の夜半の情景を描いたという解釈が自然かもしれません。
     おそらく年の瀬を迎えていっそう貧しさが感じられる、ひっそりと静まったある町の情景が
     思い浮かびます。
     さて昼は、高層雲におおわれた空が、南中高度の低い太陽をぼんやりと宿し、冬枯れの
     木立ちが肌寒さを感じさせました。
     
    
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津市 昼  高層雲におおわれた
(気象庁・東京大・高知大提供のひまわり赤外画像と気象庁・メテオプラネット提供の天気図を合成)

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