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2009年 4月5日 (日)

「 太陽のハロ と 月のハロ 」 (桑名市 12:04/21:11)

 
     全周がつながった完全な22°ハロ(内暈)が、昼にも夜にも見られる珍しい日になりました。
     内暈は、巻層雲をつくる六角柱の氷晶が、鉛筆形でも角板のどちらともいえないときに、空中を
   落下する氷晶の傾き具合の分布がランダムになって、等方的な屈折光分布となるものです。
     今日は南岸に停滞前線が位置しており、前線から北側に向けてゆるやかな傾きをもつ前線面が
   できていました。その北端に上層雲である巻層雲が分布していたようすがひまわり画像からも読み
   取ることができます。通常の温帯低気圧の前面にある巻層雲ならば、温帯低気圧の東進に伴って
   数時間で高層雲や高積雲に入れ替わってしまうのですが、今日は停滞前線であったため、半日近く
   たっても、再び同じように巻層雲がおおってくるチャンスがあったというわけです。
     さて、昼間のハロと夜のハロの写真を見比べてみますと、ともに適正な露出で撮影するとそっくり!
   しいて言えば、違いは夜のハロにはいくつかの星がいっしょに見えていることですね。
     友人が子どものころにおばあさんから聞いていたというお話で、『月が暈をかぶると天気が悪くな
   るが、暈の内側に星が見えているときは天気は崩れない』というのを教えてもらったことがあります。
   科学的な真偽、あるいは意味づけを議論できないこともないのですが、それよりもこのお話はとても
   素敵だと思いませんか?(^^♪。 こどもがおじいさんやおばあさんといっしょに夜空を見て、いろんな
   おはなしをしたり、聞いたりしている情景。きっと、とても大切で美しいものだろうな、と思います。
    
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11:58 12:04 満開のサクラと、太陽のハロ(内暈) 満開のサクラ 幹に虫たち
21:11 21:17 上弦過ぎの月にハロ(内暈)
(気象庁・東京大・高知大提供のひまわり赤外画像と気象庁・メテオプラネット提供の天気図を合成)

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