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「富士山と巻雲/雨氷/霜柱」 (静岡県) |
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今年の冬は富士山を見に行きたい、できれば独特の笠雲やつるし雲も見てみたい、と考えていて、 仕事のない休日と天気とが合うタイミングをはかっていました。この日の朝は富士山周辺の天気が よさそうなのをみて、3時30分頃に桑名を出て、湾岸道と東名高速で静岡県に向かいました。 朝の薄明の空が明るくなるにつれて、富士山のシルエットが浮かび上がる様子を運転しながら見て 感動! 日の出ころは太陽のほうに少し雲があったためか、少しやわらかい光でしたが、すばらしい 富士山の姿を久しぶりに見ることができました。山頂は3776mですから、中層に位置します。巻雲や 飛行機雲も流れてきましたが、もちろんこれらは上層の雲。しかし、富士山の高さがものさしになって これらの雲の高度がふだんよりもイメージしやすいことを実感しました。 その後、富士山をぐるっと一周まわってみたのですが、本栖湖付近で雪景色の中にに違和感を感じ、 車をとめて観察したところ、木々が白いのは雪でなく、「雨氷」でした。これは、過冷却水滴からなる雨が 落下した瞬間に凍ることによって生じる着氷現象です。 そして、本栖湖では湖畔の一面が霜柱。ふだんの自分の生活の中であまり見なくなっていましたが、 この霜柱の長さと分布の広さには圧倒されました。 帰路につこうとした富士吉田で見つけたのは、「富士山レーダードーム館」です。富士山気象レーダー が平成12年に役割を終え、ここに移設されたのです。管内には、富士山頂の気象観測の歴史、気象 レーダードーム建設の経緯とその実物資料など、貴重な資料がたくさん展示されています。 気象庁職員であり、作家でもあった新田次郎さんがこれらをテーマとした「富士山頂」などの小説を 発表してくれていたことも資料の充実につながっていることがうかがえました。(新田次郎さんの資料も たくさん展示されています。) また、NHKの番組「プロジェクトX」第1回の放送は富士山頂レーダーの 建設をテーマにしたものだったのですが、中島みゆきさんの「地上の星」の曲とともに始まったこの番組 に涙しながら見入っていた自分の姿も思い出すような、すばらしい展示館でした。 今朝でかけたときは、日の出の富士山とその空を見てすぐに帰ろうと思っていたのが、このように めいっぱい楽しんでしまいました。おかげで帰路は東名高速の断続的な大渋滞に巻き込まれてたいへ んなことになって帰宅したのですが、それでもまたときどき富士山に来てみたい、という思いが強まって いました。 |
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富士宮市 6:58 流れてきた巻雲と富士山 |
流れてきた飛行機雲 と層雲(山旗雲) |
日の出からしばらくは富士山が美しく見られたが その後、下層雲が広がり始め、終日姿を隠した。 |
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本栖湖付近での雨氷 過冷却水滴の雨が落下して凍った現象 | ||||
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本栖湖で見た霜柱 火山礫が持ち上がっている | 富士山レーダードーム館(富士吉田市) | |||
つらら(氷柱) | 桑名市 20:34 層雲 | |||
500hPa(気象庁・東京大・高知大提供のひまわり赤外画像と気象庁・メテオプラネット提供の天気図を合成) | ||||
地上(気象庁・東京大・高知大提供のひまわり赤外画像と気象庁・メテオプラネット提供の天気図を合成) | ||||