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2010年 5月9日 (日)
 
 

「タンジェントアーク/外接ハロ/全周の内暈」 (桑名市 午前)

「夕空には 環天頂アーク、大きな巻雲」(桑名市 夕方)

 
     太陽のまわりに見られるハロは、半径22°の円形をなす「内暈」が最も一般的なもので、
    3枚目の写真がその完全な形です。このハロは、六角柱の氷晶がランダムな角度で分布する
    ときに見られます。六角柱の氷晶が鉛筆のように長いものが多くなると、その長軸を水平に
    した分布が多くなり、上部タンジェントアークや下部タンジェントアークと言って、内暈の上端と
    下端に接するカーブを描き、上端接弧・下端接弧とも呼ばれます。1枚目の写真は上部タン
    ジェントアークの右側がとてもよく伸びています。
     そしてタンジェントアークは太陽高度が高くなると上部と下部が接続した「外接ハロ」となり、
    1枚目の写真でもその傾向が見られますが、2枚目の写真ではそれが顕著になっています。
     これらの観察は、汗びっしょりでグランド整備をしながら撮影したものです。たいへんだけど
    いい日曜日。

     午後は高層雲が多くなって、ハロはときおり見える程度となり、その後いったん、快晴となり、
    夕方に再び巻層雲がやってくると、淡い幻日が少し見えたあとで、環天頂アークが出現しました。
    (上から4枚目の写真)
     これは太陽の上方46°の位置で天頂を囲むようなカーブをしており、「さかさ虹」とも呼ばれる
     ハロです。また、左の方の雲は巻積雲の乳房雲のようです。
     最後の写真は、天頂付近に来た大きな巻雲。巻積雲から尾流が伸びるようにして生まれたもの。
     超広角レンズ18mmで撮影してのこの大きさです。巻雲を生む雲のもとが最も速い西風に流され、
    落下する雲流の方が遅い風に流されるので西側に尾をひくような形になっています。
     
    
 
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8:18 8:19 8:34 8:51
9:09 9:31 10:33
17:33 環天頂アークと巻積雲の乳房雲 天頂付近 北東

500hPa(気象庁・東京大・高知大提供のひまわり赤外画像と気象庁・メテオプラネット提供の天気図を合成)
地上(気象庁・東京大・高知大提供のひまわり赤外画像と気象庁・メテオプラネット提供の天気図を合成)
 

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