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「環水平アークの季節」 (桑名市) |
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巻層雲の雲粒である六角柱の氷晶の底面と側面は90°の角をなしており、この両面を通過する 太陽光の屈折・分散によって太陽から46°のハロを生みだします。この氷晶が底面を水平に保って 分布すると、太陽の上方または下方46°の地平高度に地平線に平行なスペクトルとなるわけです。 太陽の46°上方に現れる「環天頂アーク」が天頂を囲むカーブとなるのは同一の地平高度に出現 するためです。そして、太陽の下方46°に現れるのが「環水平アーク」。これらは上下うらがえしの関 係にありますが、同時に現れることはなく、太陽の十分低いときに「環天頂アーク」、太陽の十分高い ときに「環水平アーク」が現れます。 来月の夏至に向けて昼間の太陽高度がぐんぐんと高くなってきたこの季節、「環水平アーク」がそろ そろ見られる日が来るだろうと期待をしていたわけですが、ようやく今日の午前から昼頃にかけて見る ことができました。最初に気付いたのは10時16分、環水平アークの一部が明るく鮮やかになったのが 10時28分、その後、何度も消えたり見えたりを繰り返して、さいごは11時50分ころでした。また、写真に いっしょに写っている積雲はいずれも高気圧の縁を回り込んで吹く南風により、かなり速い動きでした。 午後からは屋内から出られなくて夕方に再び空を見ると、巻層雲ながらハロはなく、やがて中層雲が 増えてきました。18時ころまで青空と巻層雲、高積雲などの空でしたが、西から層積雲が出始めたな、 と気付くとわずか10分くらいであっというまに全天を層積雲がおおい、驚きました。(夜にはまた夕方の ような空にもどっています) 明日は、停滞前線ともに、上空に寒気を伴った気圧の谷が接近し、雨とと もにシビアな気象現象の可能性もあります。 |
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桑名市 10:22 積雲の上に高積雲 | 環水平アーク 10:28 | |||
65mm | 78mm | 52mm | 32mm | |
11:07 | 11:45 | 巻積雲と水平環 | 太陽の下46° | |
11:50 | 18:16 層積雲 | |||
10分前には青空と高積雲 だった |
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500hPa(気象庁・東京大・高知大提供のひまわり赤外画像と気象庁・メテオプラネット提供の天気図を合成) | ||||
地上(気象庁・東京大・高知大提供のひまわり赤外画像と気象庁・メテオプラネット提供の天気図を合成) | ||||