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2011年 2月20日 (日)

「タンジェントアーク 月のは西に 日のは東に」

−タンジェントアークの形状変化、       
       月光柱・太陽柱、幻日、ラテラルアーク−


(桑名市 朝)

 
     昨日から巻層雲の空が続いています。ゆうべは疲れからか早く眠ってしまい、夜半過ぎに目覚めて
    昨日のサイトを作成しました。作業を終えて、2月の満月を眺めると、予想された暈がないかわりに、
    月の上に強烈な「タンジェントアーク」が輝いていました。しばらくながめていましたがやはりまだまだ寒く、
    1分ごとの自動インターバル撮影を開始。『よく写っていたらあとでムービーをつくれないかな』と思いつつ
    再び眠りに・・・・・。じつは、タンジェントアークは、太陽(月)の高度に伴って形状が大きく変化していく
    という、神秘的でとても興味深い現象! 朝に目覚めて、撮影画像を見たときには一人でガッツポーズ
    をとってしまいました。 → ぜひ、ムービーの作品をごらんくださいね。
     そして、まもなく陽が昇り始めても、同じ巻層雲が続いているので、『今度は太陽にタンジェントアーク
    ができるはず!』 と、東の空にカメラを向け直して撮影を続けました。1時間あまりすると、タンジェント
    アークが強烈な輝きになるとともに、その外側に円形のかぶさる別のハロが出現!! 観察しているときは
    外暈(46°ハロ)だと考えていましたが、太陽高度20°のこの時間帯では、外暈とラテラルアークとが
    きわめて類似した形状になるため、実はひきつづき判別をする作業をしなければなりません。どちらで
    あったとしても、明瞭に見られることはレアな現象なので、幸運であったことはまちがいありません。(*^_^*)
    (こちらもムービーにしあげてあります。)

    タンジェントアークの外側に広がる大きなハロは、やはり、46°ハロではなく「ラテラルアーク」でした。
    根拠は次の2点。

    (1) 内側の22°ハロとくらべ、左右に少し広がりをもつが、これは超広角レンズの収差ではなかったこと。
      大きな二重円を描いて撮影し、確認しました。
    (2) 「Halosim」というシミュレーションソフトでAkinokoさんが解析した結果、太陽高度21°、角柱結晶のみで
      水平方向にそろった結晶(揺れは1°)がメインに存在(75%)して、その他にランダム方向の角柱結晶が
      25%としたときの画像が、撮影画像と酷似すること。この設定は、タンジェントアークがきわめて強烈に
      輝いていることが大きな決め手になっているわけです。シミュレーション画像を下に掲載しておきます。
     
    
< ↓ 画像をクリックして拡大 ↓ >
4:19 4:36 4:54 5:34
  西の空 月光のタンジェントアーク 太陽高度に伴い形状が変化する。月光柱も。
5:43 5:46 5:53 ムービー
4:17〜6:02 
7:01 7:26 7:57 8:27
  東の空 太陽のタンジェントアーク  明るいラテラルアークも出現した。太陽柱も。
8:30 ムービー
7:04〜8:26 
9:24 22°ハロと
幻日
9:47
12:05 西から
層雲のような雲
地上(気象庁・東京大・高知大提供のひまわり赤外画像と気象庁・メテオプラネット提供の天気図を合成)
 

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