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 2022年 10月25日 (火)
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「アレキサンダーの暗帯/二重の赤虹」(桑名市)
 
 
 
夕方、野鳥撮影をしていると突然の天気雨。
驟雨になってきたので、見晴らしの良い場所に移動すると、
短いながらも、とても明るい主虹と副虹。そして、両者の間の
領域の空は両側よりも顕著に暗い「アレキサンダーの暗帯」。

水滴のプリズム効果で虹が見られるが、水滴に対して入射する
太陽光線すべての出方の分布から、虹の赤色の部分より
内側だけに出てくる光線が存在し、虹の赤色より外側には
水滴から出て観測者に向かう光線は存在しない。主虹・副虹とも
に同じことが言えるので、両者の間の領域は観測者から暗く見え、
これがアレキサンダーの暗帯。多くの場合、副虹の両側ともが暗くて
はっきりしないことがおおいけれども、今日のように副虹が明るく、
副虹の外側にも降水があると、この暗帯がしっかりと見られます。

驟雨をもたらす雲は雄大雲だったけれども、日没の頃に雷が一発。
北から流れてきた雄大雲の一部が発達して積乱雲も存在。

雨が日没過ぎまで継続し、西の空が晴れていたので赤虹を
期待して観察を続けたところ、不気味なほど美しい夕焼けに
染まった降水雲。そして、東の空には明るい赤虹の
主虹と副虹のダブルアーチがかかりました。

    <↓画像をクリックして拡大↓>
 13:07 西南西 14mm
高層雲の西縁。
22°ハロが見える。
下に見える積雲群が夕方の
驟雨の予兆だったかも。
 13:07 南南西 14mm
22°ハロ。この部分だけ見ると
巻層雲とも言えそうだが、東へ
広がる全体は明らかに高層雲。
   
16:00 70mm
突然の天気雨。 
 16:02 東 38mm
雄大雲の雲底。
16:12 北東 64mm
右が主虹で、左が副虹。
そしてその間の領域が
アレキサンダーの暗帯。
16:15 北東 24mm
虹をもたらす降水雲の全貌。
北から来た雄大雲は一部
積乱雲として一発の雷あり。
16:41 東南東 48mm
右側の主虹と副虹。
16:41 東南東 70mm
虹は、ごく近傍の木立の
手前にも生じている。
   
 16:56 北東 49mm
赤虹の主虹・副虹
 16:57 東 24mm
夕焼けに染まる降水雲と
赤虹の主虹・副虹
   
 17:00 西 24mm
夕焼けに染まる降水雲。
不気味なほど美しい。
 
地上(高知大学気象情報頁赤外画像と気象庁速報天気図を合成)
 
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