12月の野鳥カレンダーへ    
 2022年 12月9日 (金)
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「狩りをする 青き宝石 - カワセミ -」(桑名市)
 
 
 
 
 
 
直射日光をサイド光として受けて水面に飛び発つカワセミ(オス)。(写真1枚目
翼の色が最も濃いブルーで、かつ光沢を放つ光の照射角です。金属の鎧を
まとったような光沢の中に「水色の流れ星」マークが存在。これは拡大写真でしか
観察できないので等倍近くにトリミング画像も下に掲載しました。

2枚目は、魚をキャッチして羽ばたき始める直前。まだ水の幕が残っているのが
とても美しい瞬間。この時までは「浮力で浮上」と説明されることが多いけれど、
実際には浮力と重力の合力を復元力とする単振動を行っており、振動の振幅を
大きくするために猛スピードで水面に突進しているといえます。写真の瞬間は
おそらく単振動の上端付近で、そこから羽ばたいて空中へ戻ります。
この段階では大きな水滴がたくさんあってカワセミの顔が隠されやすくなるけれど
ぎりぎり目にキャッチライトが入りましたは小さいのでぜひ下の育大写真を。

そして、魚をキャッチして羽ばたいているときも直射日光のサイド光で
翼の色は濃いブルー(写真3・4枚目)。この2枚を見比べて気づくことに、
カワセミの翼の上下動とくわえた魚の体の反り方が同期していることが
あげられます。これは翼を動かす反作用で頭部が翼と逆位相で動いて
いることからくるものと理解できます。

夕方、飛び込み前にすまし顔のカワセミ(写真5枚目
カワセミの美しさを際立たせる背景。サクラの枝が重なる背景ですが、
最前面にカワセミがいて、とても味のある効果的な背景です。

写真6枚目は、ほぼ鉛直に降下するカワセミ。独特の流線形になる部分を
単独で取り上げる写真は少々つまらないので、姿勢を制御するために翼を
広げる瞬間を含めての合成写真にしました。

    <↓サムネイル画像をクリックして拡大↓1200pixel>
 共通データ: NikonZ9 500mmf/5.6
f5.6 1/4000秒 ISO900
サイド光で光沢のある濃いブルー。
サイドから見て最も美しい翼の形。
左の拡大。
水色の流れ星マークが美しい。これは
眼視観察では飛翔中には無理なので
十分に拡大できる飛翔写真を撮影。
f5.6 1/4000秒 ISO2500
帰還時の翼もサイド光でブルー。
f5.6 1/4000秒 ISO2500
表側を見せる右側の翼の羽がつくる
ブルー系の色のグラデーションが見事。
f5.6 1/4000秒 ISO2200
サイド光で透けて見える
初列・次列の風切。
f5.6 1/4000秒 ISO1100
首を180°近くひねってから
魚を枝に叩きつける、スゴ技。
f5.6 1/4000秒 ISO1250 f5.6 1/90秒 ISO180
きれいな水面を背に佇む。
   
f5.6 1/4000秒 ISO22800
夕方、暗くなってからの飛び込み。
合成写真。 
 f5.6 1/90秒 ISO360
空の拡散光で見られる、最も
ブルー系の色がきれいな瞬間。
サクラの枝が構図を引き締めている。
   
f5.6 1/500秒 ISO2000
羽繕い。 
f5.6 1/4000秒 ISO16000
空の拡散光でも半逆光でグリーンに。 
   
 f5.6 1/45秒 ISO280
これも空の拡散光で半逆光ぎみ。
やさしいグリーンの発色を見せる。
 f5.6 1/2000秒 ISO5600
暗くなってきてシャッター速度を
下げたが、1/4000秒でとるべきシーン。
水面が汚い原因は障害物。
   
 f5.6 1/2000秒 ISO5000
翼の位相が270°の状態。
初列風切に隙間を作る。
 f5.6 1/2000秒 ISO8000
魚をくわえて浮上する瞬間。ここから
羽ばたきを始める。目にキャッチライトが
入っているが、水しぶきが目に近い。