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 2023年 8月1日 (火)
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「ずきん雲・ベール雲付近で動き回る光
        −クラウン・フラッシュ−」
(桑名市)
 
 
 
 
 
 
夕方、2つのかなとこ雲が広がる中で、あちらこちらに積乱雲が発達。

西南西の方角で消長する積乱雲の雲頂付近には、みごとなずきん雲やベール雲。

そして、その周辺で動き回る不思議な光斑・光点が気になり、動画撮影もしました。
北から広がってきたかなとこ雲を通して太陽光線が消長するベール雲や
その周辺の薄い雲を照らしているようで、かなとこ雲の淡い部分(動いている)
を通った太陽光線のいたずらのように考えられます。
あるいは消長する雲に対応しているかもしれません。
それにしてもあまり見たことのない不思議な感じの光り方です。

<8月6日追記>
この現象は「クラウン・フラッシュ」と呼ばれていて、やはり大気光学現象です。
氷晶も誘電体で誘電分極を起こすため、積乱雲の雲頂付近の氷晶が
積乱雲がつくる電場によって配向整列し、太陽光を反射(および屈折)する
条件の場所で明るく輝くことが起きているようです。光る場所が
じわじわと動くのは積乱雲による電場の変化に対応し、そして
光る場所の瞬間的な移動は積乱雲内部の放電により電場が
急変するためと解釈しました。つまり、スイッチを切り替えるように
光る場所が変わるのが最も印象的でしたが、電場の急変と
考えるとすごく納得できます。それにしても、空には興味深い現象が
まだまだあることに感動しますし、今回きちんと動画撮影して
おいてよかった、と思えるできごとでした。



日没後、帰ろうかなという頃から、北北東と北西に2つの積乱雲が急発達。
暗くなる空のもと、両方の積乱雲で音の聞こえない稲妻がたくさん光りました。

    <↓画像をクリックして拡大↓>
ずきん雲 
16:36 西南西 130mm
ずきん雲
16:37 西南西 300mm 
   
かなとこ雲 
16:38 北西 14mm
かなとこ雲
16:38 北東 14mm 
ベール雲
16:47 西南西 200mm
彩雲のベール雲
16:55 西南西 135mm
ベール雲付近で飛び回る光斑・光点
17:11 西南西 200mm
17:12 西南西 200mm
   
 17:13 西南西 200mm
幻日の輝き方に似ている。
17:13 西南西 200mm 
   
 17:13 西南西 200mm ベール雲の周辺で飛び回る光斑・光点
(実速度ムービー 24分間 1GB)
16:48〜 西南西 200mm
   
かなとこ雲の乳房雲 
17:05 北東 70mm
幻日
 17:13 西 200mm
   
積乱雲 
18:09 西南西 56mm
積乱雲と雷 
19:13 北北東 62mm
日没後に急発達して多くの雷
(音は聞こえない距離)
   
積乱雲と雷 
19:35 北西 44mm
藤原方面、音は聞こえない。
19:38 北西 57mm 
地上(高知大学気象情報頁赤外画像と気象庁速報天気図を合成)
 
高知大学気象情報頁可視画像 18時