12月のカレンダーへ
2007年7月
「動かない巨大な雲の列」 (桑名市 9:21 西)
 
     弱い冬型気圧配置。昨夜の時雨雲によって、鈴鹿の山々は美しく冠雪(4番目の写真)。
     今日は、鈴鹿山脈をおおう雲を第1列として、山脈に沿う第2、第3列の雲が三重県北部に
     おおいかぶさる朝となりました。これらは鈴鹿山脈で生じる山岳波動によって生じるものです。
     ずっと見ていてもほとんど場所を変えません。西からの風(高度によって風向は複雑)
     が雲を成長させつつ東で雲が消えているため、動かないのです。
     高知大学気象情報頁提供の可視画像でもそのようすがよくわかります。
     方丈記の、『ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず』の一節が思い出されます。
     自然界にはこうした現象はたくさんあります。たとえば、銀河のきれいな渦巻き構造。
     銀河の中にある恒星たちの公転角速度は、銀河中心からの距離によって異なるため、あの
     きれいな渦巻きが保たれるはずはないのに、多くの銀河で渦巻きが崩れていません。
     これは、渦巻きをつくる恒星の誕生と消滅がこの形を保ち続けているからなのです(密度波理論)。
     このように、伊勢平野に見られる「動かない雲」は、いつも宇宙の銀河を思い出させてくれます。
     さて、この雲が動き始めたのは11時前くらいから。雲列の南半分が東に移動していきました。
     この時間帯を以下の動画に撮影してありますので、ぜひご覧ください。

     動かない巨大な雲(←クリック):10時46分〜、150倍速 南東の空)
        南東の空に向けて対角線魚眼レンズで撮影しました。右上の方が西になります。

     ほかにも今日の雲は、彩雲を見せたり、揖斐川に美しい太陽の光を落としたりと、いっぱい
     楽しませてくれました。
     津市からの画像を送ってくださった方があります。津市では、この雲は早い時間に消えてしまった
     みたいで、すごくいい天気だったみたいです。
     また、天気図を見ると、札幌にたくさん雪が降る状態。
     「桃姫と見た空」(http://namakonome.blog101.fc2.com/)に美しい雪景色があります。
     
    
< ↓ 画像をクリックして拡大 ↓ >
桑名市 8時 8:24 鈴鹿山脈の冠雪
南 2・3列目の雲 対角線魚眼 左が北・右が南 西
西 山沿いには降水 北 2・3列目の雲 西 1・2列目の雲 彩雲
彩雲 9:21 西
南、南東の低空 津市から 11:30頃
夕方 時雨れる ホワイトサイクロンなど
09時 10時
11時 12時
第2・3列の雲がずっと居座りながら、雲の南の部分が少し東に移動している。
(気象庁・東京大・高知大提供のひまわり可視画像 09時)

(気象庁・東京大・高知大提供のひまわり赤外画像と気象庁・メテオプラネット提供の天気図を合成)
ラジオ天気図 18時 (クライム発行の天気図用紙を使用)  
きれいな西高東低  輪島に「雷」 上空に寒気が入ってきたため
気象庁・メテオプラネット提供の高層天気図 500hPa 09時 -30℃の寒気が北陸まで南下してきた

前日へ

翌日へ