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2007年7月
「北陸冬季雷 スプライトの夜」 (昨夜 桑名市 北の空)
 
     古くから、雲の上を飛ぶ飛行機のパイロットが上空に不思議な発光のあることを証言し、
     「Sprite(妖精)」と呼んでいましたが、科学的に認知されたのは20世紀末のこと。
     この1/100秒間ほどという短時間の発光現象は、地上の雷に連動して、上空約80kmの
     中間圏に現れる「高々度放電現象」。実は肉眼でも見られるものなのです。
     今自分はわりとたやすくこの現象を撮影していますが、数年前に初めて肉眼で目撃した瞬間
     の感動は今でも鮮明です。撮影はモノクロですが、実際の色は赤い光です。
     人類がずっと認知できなかった自然現象を自分が目撃しているという恍惚感に包まれました。
     このスプライトは、正極性の落雷に連動して出現しやすいもの。そして正極性落雷の多いのが
     北陸の冬季雷。北陸では積乱雲の下になるのでスプライトを見られないのですが、このとき
     三重県北部からは空が晴れていることが多く、至近距離で見上げることができるのです!
     このような地域は世界的にも珍しく、まさしく「スプライトの聖地」だと思っています。
     さて、昨夜は北陸にまで500hPa高度で-30℃の寒気が南下し、冬季雷が発生。
     撮影は一時中断したものの、合計34個のすばらしい出現がとらえられ、みごとな
     「The Sprites' night」 となりました。
     
    
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12:15 南東 13:20
ホームズ彗星 核が微光星に埋もれそう
500mm F4 ISO800 3分露出
気象庁・メテオプラネット提供の500hpa高層天気図 15日21h
(気象庁・東京大・高知大提供のひまわり赤外画像と気象庁・メテオプラネット提供の天気図を合成)

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