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2008年 4月2日 (水)

「巻雲/幻日/レンズ雲/2層の長いレンズ雲」 (桑名市)

 
     休みに入る前の最後の仕事の日に、「一昨年(2006年)は12月29日に大雪だったんですよね」と
    おっしゃるかたがありました。その日のできごとや想い出から日付と天気が結びついて記憶されて
    いるのはとてもすてきなことだなあ、と思いました。
     今日は、九州の南の低気圧で南の空を中心に上層雲が見られ、一方で日本海の低気圧もあって
    風は後者の影響のほうがやや勝るような気圧配置。この状況が基本となっていろいろな雲が登場!
     午前から昼過ぎまでは南に濃密な巻雲があって、その北端が三重県にかかって、巻雲・巻層雲・
    巻積雲・高積雲などが次々と見られ、それぞれの雲の尾流も印象的。美しい幻日も見えました。
     午後にものすごい巻雲の空(魚眼レンズで撮影)を見ることができたのを区切りにして、野鳥観察
    をしながらダム湖の周回路の森を散策しました。メジロ・コゲラ・シジュウカラ・シメ・カワウ・カモ類・
    カラス・ヒヨドリ・・・午後は野鳥の活動が低調なのですが1周歩くだけでこれだけの種類に出会いま
    した。一昨日のジョウビタキ・ホオジロ・カワセミも合わせて、かなりの野鳥が生息するすばらしい所
    です。
     散策の途中で西の空に美しいレンズ雲。日本海低気圧からの風が鈴鹿山脈を越えて作った雲の
    ようです。このレンズ雲がいつまでも消えないなあ、とときどきながめているうちに、レンズ雲がいくつ
    も連なり始めて、16時頃には左右80°くらいの長さに見える長いレンズ雲(つるし雲といってもよい)に
    なり、やがてこの雲が消滅し始めると、その上の層にまた長いレンズ雲が伸び始めました。最初は
    別々のところにあったふくらみが成長して、それらがつながって長い1本の雲になる様は感動的ですら
    あります。実は、この時点では、二重の雲の位置関係が上下なのか、奥と手前にあるのか、はっきりし
    なかったのですが、太陽が沈む頃に明確になりました。下に見える雲がかげってきても、上に見える
    雲は明るいまま・・・・やはり上下2層の位置関係だったのです。
     最も長いときは、ほとんど180°に近い長さ・・・・南→西→北とずっとつらなるすごい雲。鈴鹿山脈だ
    けでなく、養老山系・布引山系までひっくるめて、つるし雲がつらなっていたようです。富士山麓のよう
    に何重にもかさなったすごいつるし雲ではありませんが、富士山にもまねのできないような独特のすご
    い雲を鈴鹿山脈が作っているのだと思うと、とても嬉しくなります。ひまわり画像で見ても、最も目を引く
    雲ですよね。
    
< ↓ 画像をクリックして拡大 ↓ >
10:37 太陽の右に幻日
10:40 太陽の左に幻日
10:47 巻雲の尾流が生じる
10:51 高積雲が広がる
(対角線魚眼レンズ)
12:12 南に巻雲の濃密雲
(ひまわり天気図参照)
12:19 西の空に巻積雲
が生じるところ
12:22 巻積雲らしくなる
12:51 10秒ほどの幻日
12:57 濃密巻雲の尾流
13:22 すごい巻雲の空
(対角線魚眼レンズ)
13:51〜 メジロ
13:56 コゲラに今日も出会えた。つがいで行動。 14:00 シジュウカラ
じっとしていないシジュウカラは撮影がけっこうたいへん。 14:16 美しいレンズ雲
14:26 冬羽のシメ 太い嘴が特徴でイカルと同じく
スズメ目アトリ科 (イカルは3月23日を参照)
14:30 カワウ
14:33 ツグミ
15:45 レンズ雲の左端を
拡大、太陽が隠れた
15:46 長いレンズ雲
(APSC22mm)
15:47 約80°の長さ
(APSC10.5mm)
16:24 下のレンズ雲が
消え、上に長いのが発生
16:27 雲のかげり方から
上下に重なる雲とわかる
16:31 16:37 南のレンズ雲 16:38 最長の状態
(対角線魚眼レンズ)
16:39 対角線方向が
180°雲の長さがわかる
16:45 異様さと美しさに
圧倒される(標準レンズ)
16:52
(APSC18mm)
17:07 町中でみると
いっそう巨大に見える 
(気象庁・東京大・高知大提供のひまわり可視画像)16h 長いレンズ雲が確認できる
(気象庁・東京大・高知大提供のひまわり可視画像)17h
(気象庁・東京大・高知大提供のひまわり赤外画像と気象庁・メテオプラネット提供の天気図を合成)

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