1月のカレンダーへ   
 2023年 1月1日 (日)
前日へ     翌日へ 
「2022-23 年越しのカノープス」(桑名市)
 
新年あけましておめでとうございます。

今年も年越しの瞬間に りゅうこつ座のカノープスが見られました。

カノープスの光度はマイナス0.62等級で、恒星の中ではおおいぬ座の
シリウスに次いで全天で2番目に明るい星ですが、その赤緯は−52°
と、いわば南半球の星なので日本では東北地方が見られる北限に
なります。桑名からでは南中時に地平高度がやっと2.4°という低さで
あるため、大気による減光を受けてかなり暗くなってしまいます。また、
地形の起伏や建物によっても簡単にかくされていまいます。

今年の大晦日における正確な南中時刻は23時38分で、撮影時刻は
南中時刻を中央値として23時16分から0時00分までとし、比較明合成に
よる日周運動を撮影しました。少し前までなぞの減光が話題になっていた
オリオン座のベテルギウス(3年前は1.6等級まで減光)も明るさが戻り、
冬型気圧がゆるんだおかげで雲もほとんどない、すばらしい年越しの
星景色となりました。

ちなみに、年越しの瞬間にカノープスが見えるかどうかの確率は、
自分なりに記録をとりはじめてからの17年のうちで8回が見られて
おり、約5割というところ。(昨年は大雪に見舞われていました。)

 
 地上(高知大学気象情報頁赤外画像と気象庁速報天気図を合成)
 
    <↓画像をクリックして拡大↓>
カノープスの見つけ方
冬の大三角、シリウスを見つけておおいぬ座の足元の三角形の底辺を
3等分する黄色の直線がポイント。おおいぬ座β星(ミルザム)のほぼ真下。
でも、南中時刻をきちんと知ることが大切。大晦日の11時40分を基準にして、
1か月あたり2時間をずらすとよい。(年末は遅い時刻へ、年明けは早い時刻へ)
同じ場所で発生し続ける
地形性の雲
15:56 南東 24mm
鈴鹿山脈沿いの長い雲
15:56 西 24mm
冬型がゆるむと積雲が減り、
下層の上部付近の西風が山脈を
越えるときにつくる雲が目立つ。
これらの雲は同じ場所で生じ、
同じ場所で消え続けるため、
ずっと居座っているように見える。
 16:47 南東 24mm
南東の雲は1時かに上たっても
ほぼ同じ状態。
上弦すぎ(月齢9.0)の月
16:47 東 24mm