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2006年11月5日(日)
「流星碑文(井上靖)」 (石川県金沢市)
 
     井上靖は金沢市の旧制第四高等学校(現在の金沢大学)で柔道に打ち込む青春時代を過ごしました。
     「しろばんば」・「夏草冬濤」につづく自伝的小説「北の海」の舞台となった地です。
     この散文詩「流星」は、本格的に小説に取り組むまでに書きためた詩集「北国」におさめられているものを
     後年に石川近代文学館の碑文のために書き直したものです。
     (「北国」では、詩の後段は十数年後における青春の終焉を主題としている。)
     彼の作品には、青春とロマンスをテーマにした「氷壁」・「あすなろ物語」、歴史小説の「風林火山」・「敦煌」・
     「蒼き狼」などがありますが、いずれの作品にも青春の孤独から生まれる情熱を保ち続けて、不器用ながらも
     潔く清廉な生き方をする主人公たちが登場します。
     その根底に息づく人生観が、人生の時を隔てて遭遇した流星によって溢れ出した心象として、この散文詩に
     みごとに描かれているのです。
     

    
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