中谷宇吉郎 雪の科学館 写真展 展示予定作品  旧作業ページ(Ver.2)へ

【1.雲の種類 -10種雲形- 】 【2.いろいろな雲 -変わり種-】 【3.大気光象 -水滴や氷晶でできる現象-


Ci Cc Cs Ac As Ns Cu Sc St Cb Cloud 計

4 2 2 4 2 2 2 2 2 2 24












候補M 2 1 1 2 2 1 1 2 1
13
候補U 2 1 1 2
1 1
1 2 11
【ギャラリー1.雲の種類 -10種雲形- 】
 雲はできる高さで上層雲・中層雲・下層雲の3つに分けられ、さらに形状などの特徴により下の表のように全部で10種に分類される。これを10種雲形という。

上層雲 高さ 約5000m〜12000m  巻雲・巻積雲・巻層雲 
中層雲 高さ 約2000m〜7000m   高積雲・高層雲・乱層雲

低層雲 高さ 約100m〜2000m    積雲・層雲
その他  雲底の高さ 数100m〜雲頂10000m以上 積乱雲

 名前に「巻」がつけば大変高い雲、「高」がつくと中くらいの高さ、どちらもなければ低い雲と覚えると覚えやすい。また、「層」がつくと層状に広がった雲、「積」がつくと固まり状になった雲である。
パネル1 「雲の種類」
   
  C_01 illust_mt.jpg  C_01 fisheye.jpg
「山と比べる10種の雲のできる高さ」
 地上から見てもよくわからないが、それそれの雲はできる高さが大きく違う。一番低い「層雲」は地表に接するほど低く、一番高いところにできる「巻雲」は7000m以上、時には エベレスト山よりはるかに高い1万数千mの高さにできる。
 「全周魚眼レンズでとらえた雲の表情」
 雲は種類によって様々な表情を見せる。ふつう、上層雲は薄く、雲の高さが低くなるほど濃い雲になる。写真はすべて同じ場所から、全周魚眼レンズ(180°Fisheyeレンズともいう)で撮影。
 上段左から「巻雲」・「飛行機雲が発達した巻雲」・「巻層雲と22°暈」・「巻層雲」
 中断左から「雲片の大きな高積雲」・「雲片小さな高積雲」・「高層雲」・「乱層雲」
  下段左から「積雲列」・「積雲」・「層積雲」・「巻層雲と積雲」
パネル2・3 Ci 巻雲
 Ci_02 Ci_20070623_015_400px.jpg  Ci_01Cc_fusajou_20060324.jpg
「巻雲」
 巻雲は、雲の中でもいちばん高い空にできる氷晶(氷の粒)でできた雲。雲から落下する氷晶が上空の速い風に流され、はけではいたような美しい筋をつくる。2007.6 Fisheyeレンズで撮影 鵜山義晃
「巻雲の房状雲」
 その名の通り、丸くふさ状になった雲を「房状雲」と呼ぶ。 2006.3  撮影 村井昭夫
 Ci_07 Ci_20061028.jpg  Ci_06Ci_noumitsu_20071218_007_400px.jpg
「毛状巻雲」
 雲の先端部がまっすぐ一直線に伸びている形の巻雲を「毛状の巻雲」または「巻雲の毛状雲」という。秋は上空の風が強くなる季節であり、美しい巻雲が見られる。 2006.10 撮影 村井昭夫
「巻雲の濃密雲」
 巻雲が最も厚くなったもので、雲の輪郭が繊維状であることから氷の粒でできていることがわかる。濃密雲が太陽の手前に来ると灰色に見える。2007.12 撮影 鵜山義晃
パネル4 Cc 巻積雲
 Cc_07 Cc_20070808_2.jpg ☆ Cc_05 Cc_20071114_017_400px.jpg
「うろこ雲」 
 巻積雲は氷晶(氷の粒)でできており、ひとつひとつの雲片は小さく、薄い。巻積雲は小さい雲片が並んでいる様子から、「うろこ雲」「さば雲」などと呼ばれる。 2005.10 撮影 村井昭夫
「空いっぱいの巻積雲」
 小石をしきつめたように、やや濃い雲片がびっしりと集まった巻積雲。巻積雲では、ほとんどの雲片の見かけの大きさは1°より小さいが、これはできる高さが大変高いためでもある。2007.11 Fisheye レンズで撮影 鵜山義晃

パネル5 Cs 巻層雲
 Cs_02 Cs_20070427.jpg ☆ Cs_06 Cs_20080210_010_400px_2.jpg
「春の巻層雲」 
 春は巻層雲の季節。移動性高気圧と低気圧が交代に日本に近づくため、巻層雲が多く見られる。巻層雲が空を覆うと、空全体がベールをかぶったように淡く白く見える。巻層雲は高い場所にできるため、小さな氷の粒(氷晶)でできている。 2007.4 撮影 村井昭夫
「巻層雲と太陽」
 巻層雲を通して太陽はその輪郭がはっきりとわかり、地上の物体は地表にはっきりとした影を落とす。巻層雲の雲粒は氷晶でできているため、そのプリズム効果で日暈や幻日などの現象がよく見られる。2008.2 撮影 鵜山義晃
パネル6 As 高層雲
☆ As_04 As.jpg ☆ As_01 As_20060113.jpg
「高層雲」
高層雲は空一面に広がるため、全天が濃淡のない薄灰色または乳白色一色になることが多い。 2008.3 撮影 村井昭夫
「高層雲」
高層雲を通して、太陽はすりガラスを通したように、輪郭がはっきりせずぼんやりと見え、地表にははっきりとした影ができないことで、「巻層雲」と区別することができる。2006.11 撮影 村井昭夫
パネル7・8 Ac 高積雲
☆ Ac_01 Ac 2005.08.24.jpg ☆ Ac_02 Ac_200711.jpg
「ひつじ雲」
 雲片が並んでいる様子が羊が群れているようにも見えるため、高積雲を「ひつじ雲」とも呼ぶことがある。高積雲は巻積雲に比べて雲片が大きく厚いため、雲底に灰色の影ができる。多くのバリエーションがあり、大変美しい雲。 2005.8 撮影 村井昭夫
「早朝の高積雲」 
 太陽高度が低い早朝や夕方には、雲片の横方向に光が当たるため大変美しい高積雲を楽しむことができる。 2007.11 撮影 村井昭夫
☆ Ac_05 Ac_20070615_052_400px.jpg ☆ Ac_06 Ac_20071104_050_400px.jpg
「巨大な高積雲のレンズ雲」
 上空の風が山脈を越えるときにバウンドするように波打ち、上昇した場所につくる高積雲。この雲の山脈側では次々に新しい雲が生まれつつ、その反対側では雲が消滅していくことによって、大きな雲全体としては長時間、同じ場所で動かないように見える。 2007.6 Fisheye レンズで撮影 鵜山義晃
「高積雲の半透明雲」
 雲を通して太陽や月の輪郭がぼんやりと見えるような、透明感のある小雲からできている高積雲を半透明雲という。2007.11 撮影 鵜山義晃
パネル9 Ns 乱層雲
☆ Ns_01 Ns_taifuusekkin_20050906.jpg ☆ Ns_02 Ns_20080212_009_400px.jpg
「台風の接近」 
 この日、台風14号が接近し全天は乱層雲で覆われた。普通にみられる乱層雲とは様子が少し異なり、雨を降らせるかたまり状の厚い雲が速いスピードで上空を通り過ぎる。 2005.9 撮影 村井昭夫
「低気圧の乱層雲」
 層状の雲の中では最も厚いために暗灰色に見える雲で、広い範囲で雨や雪を降らせる。中層の雲に分類されるが、上層まで厚くなることや雲底が地上付近にまで達することもある。遠くの空の晴れ間が背景となって、乱層雲の雲底や降水のようすがよくわかった。 2008.2 撮影 鵜山義晃
パネル10 Cu 積雲
☆ Cu_01Cu_20070414_015_400px.jpg
☆ Cu_04 Cg20070817.jpg
「青空に浮かぶ綿雲−積雲」  
 雲と聞いて最初に思い浮かぶ、雲の代表が積雲。青空に点々と魚が泳ぐように流れていく様子は美しい。 2007.4 撮影 鵜山義晃
「近くで見た雄大積雲」 
 積雲は発達の度合いで、大きく分けると、「扁平雲」「並雲」「雄大雲」に3つに分けられる。このうち、垂直方向に大きく発達した積雲を「雄大雲」または「雄大積雲」と呼び、雨を降らせることもある。雄大積雲がさらに発達すると、「積乱雲」となり、強い雨や雷を引き起こすようになる。
パネル11 Sc 層積雲
 Sc_01 Sc_200710.jpg  Sc_02 Sc_roll_20061210.jpg
「斑状の層積雲」 
 層積雲はくもり空を代表する雲。積雲よりひとつひとつの雲片が小さく、密集し、すき間からは青空がのぞくことも多い。また垂直方向へはあまり発達していないことが特徴。 2007.10 撮影 村井昭夫
「巨大なロール状層積雲」 
 まるで巨大なフランスパンのような雲が、並んで次々と押し寄せて来る。畑の畝が並んでいるようにも見えることから、層積雲を「うね雲」と呼ぶこともある。 2006.12 撮影 村井昭夫
 
パネル12 St 層雲
 St_01 St_20071106.jpg ☆ St_02 St_20080105_030_400px.jpg
「層雲」 
 雲の中でも最も低いところにできるのが、この「層雲」。低いところにできるので、山など地表面に接することが多い。撮影地は標高300m。雲は手の届きそうなところにある。 2007.11 撮影 村井昭夫
「霧と層雲」
 層雲は「霧雲」とも呼ばれるように、その中にいる人たちにとっては霧になるが、厳密には「雲」と「霧」は区別される。自動車に乗って、霧に包まれた場所をいくつか通過した後、美しい層雲に出会った。 2008.1 撮影 鵜山義晃
パネル13 Cb 積乱雲
☆ Cb_01 Cb_20070819_022_A3_02_400px.jpg  ☆ Cb_02 Cb_multicell_20070811_027_400px.jpg 
「積乱雲とかなとこ雲」
 積乱雲は、積雲が高度10000m以上にまで発達した「雲の王者」。圏界面に達すると水平方向に広がって「かなとこ雲」を形成する。積乱雲の下では雷やはげしい雨が生じており、その全貌は数十km離れた場所からもとらえることができる。 2007.8 撮影 鵜山義晃
「連なる積乱雲」
 かなとこ雲を作るまでに発達した複数の積乱雲はいくつも列になって並ぶことがある。写真は中部山岳に発生した積乱雲群を三重県から撮影したもの。一つの積乱雲の発達から消滅までの時間は1時間程度で、左側(北側)の積乱雲から順に、時間差を持ちながら発達した。 2007.8 撮影 鵜山義晃